開発者とデザイナーとの連携
――Adobe CS4と同時に発表のあった、FXGについて教えてください。
「FXG」は、Flashプラットフォームに特化した形で作られた新しいグラフィック言語です。XMLベースのフォーマットなので、テキストエディタで直接記述することもできますが、主にAdobe製品から書き出して使うケースを想定しており、メリットもそこにあります。
Flex Builder 4は来年まで出ませんが、Adobe CS 4では既にいくつかサポートが始まっています。Illustrator CS 4はFXGの読み書き、Photoshop CS 4、Fireworks CS 4はFXGの書き出しを行えます。
Flexの次のステージとして、開発者のコーディングとデザイナーのデザインを同時進行できるような、新たなコンポーネントアーキテクチャーを作ろうとしています。この際、デザイナーは「Thremo」(サーモ)というデザインツールを利用することになります。
また、「スキニング」というアプリケーションのプレゼンテーション部分(スキン)を扱う新しいコンポーネントも用意されます。
――先ほど話に出たデザインツール、「Thremo」について教えてください。
「Thermo」は、Adobe CS 4(デザイナー)とFlex 4(開発者)との作業の橋渡しをするリンクになるツールです。1年前にそのビジョンを説明しました。まだリリース日は未定ですが、できるだけデザイナーや開発者のコミュニティからフィードバックを得たいと考えているので、オープン性を保ち、随時パブリックアルファやパブリックベータを出していきたいと考えています。
Thermoは、Flex 4の新機能を取り込み、Flex 4とともに進化していきます。また、Flex Builderと同様にEclipseベースになっており、コードを使い慣れているデザイナーや、クリエイティビティ性の高い開発者は、Flex BuilderとThermoのビューを切り替えながら活用することができるでしょう。

前日開催されたFlex User Group(FxUG)での勉強会では、実際にThermoのプロトタイプや、FXGでIllustrator CS 4と連携するデモが行われた。IllustratorのアートワークをFXG形式で書き出してThermoに取り込み、オブジェクトをボタンやスクロールバーといったコンポーネントに変換したり、四角形の角丸の半径をFlex側で動的に変更するなど、Adobe CS 4と柔軟な連携が可能になっている様子が示された。