魅力的に進化したEclipseを今こそ使ってみませんか?
Eclipse(イクリプス、または、エクリプス)の元になったアプリケーション開発ツールを米IBMがオープンソースコミュニティに寄贈したのは2001年でした。そして、Eclipseの魅力に取り付かれた私が翔泳社からDESKTOP REFERENCE「Eclipse辞典」を出版したのが2006年です。その後も進化をし続けたEclipseは、今では初心者から上級者まで、どなたにでもお勧めできる「素晴らしい道具」になっています。また、たくさんのプログラミング言語やツールに対応し、目的に応じて形を変えられる「万能工具」と呼べる存在になりつつあります。しかも、多くの方の参画のおかげで、オープンソースに見られやすい「敷居の高さ」はEclipseにはありません。
今こそ、Eclipseを使ってみませんか?
Eclipseとは?
Eclipseは誰でも無償で利用できるオープンソースの開発ツールです。各OSに対応しており、Windows版、Mac OS X版、Linux版が提供されています。機能拡張が容易で、あらゆる場面に柔軟に対応できるカスタマイズのしやすさから統合開発環境(IDE)とも呼ばれています。
Eclipseを単独で入手してから、目的に応じて「プラグイン」と呼ばれる機能拡張パックを追加することもできますし、代表的な目的に応じたプラグインをあらかじめ導入してある「パッケージ(配布用のセット)」も公開されています。
なお、Eclipseは商用用途でも無償で利用でき、Eclipseを用いて作ったアプリケーションの販売も可能です。しかも、自前のプラグインを開発して販売することもできます。
Eclipseの機能 - Eclipseで何ができるか?
Eclipse本体の主たる機能は、Java言語によるプログラムの作成・編集と、実行・テストの支援です。ソースプログラムを見やすく表示し、作成や編集を手助けする機能が揃っています。また、Javaアプリケーションであれば、仕上がったプログラムをワンクリックで実行し、実行結果をEclipse上で確認できます。
プラグインがあらかじめ導入されているパッケージでEclipseを使う場合、パッケージの種類によって違う機能が実装されています。しかも、Eclipse本体の機能とプラグインの機能がシームレスにつながっているので、どこまでがEclipse本来の機能で、どこからがプラグインによる機能拡張なのかを意識する必要がほとんどありません。つまり、Eclipseの機能には無限のバリエーションがあることになります。ここではプラグインで実現できる主な機能を紹介しましょう。
- C、C++、PHP、Ruby、Python、HTML、JavaScriptなど、Java以外の言語によるプログラムやソースの作成・編集と、実行・テストの支援の機能
- クラス図などのUMLや、E-R図によるモデリング機能
- ウィンドウ・アプリケーションを作成するためのグラフィックインターフェースの作成
- データベース参照やSQL発行などの操作機能
- ソースを再現する逆コンパイル機能
- コーディングルールのチェック機能
- 起こしやすいプログラムミスを発見する機能
- チーム開発に必要なバージョン管理機能
- テストのカバレッジ(網羅率)をチェックする機能
- Webアプリケーションサーバを操作・管理する機能
- ケータイJavaアプリ開発ツールとの連携機能
- プラグイン開発機能
上記はほんの一部であり、現在もEclipseの機能はどんどん増え続けています。