Eclipseの起動前設定
Eclipseはインストールの必要がありませんが、スムーズに利用できるように準備をします。まず、できあがったeclipseフォルダを適当な場所に移します。ここでは「c:\eclipse」に移動したとします。
設定によっては、実行の都度、セキュリティに関する警告が出る場合があります。この警告がでる場合は、ブロックを解除する必要があります。マイコンピュータ等で「c:\eclipse」フォルダ内にある「eclipse.exe」ファイルを右クリックしてプロパティを開き、「全般」タブにある[ブロックの解除]をクリックします。
最後に起動の確認と、ワークスペースの選択を行います。マイコンピュータ等で「c:\eclipse」にあるeclipse.exeファイルを実行します。すると「ワークスペース・ランチャー」ウィンドウが表示されます。「ワークスペース」とはEclipse上で作成したソースや設定などをプロジェクトとして保存する場所です。ここでは「c:\workplace」を指定したとします。もしも、このウィンドウが英語で表示された場合、ここまでの日本語化の作業が失敗しています。手順を再度確認してください。
Eclipseが起動し「ようこそ」ウィンドウが表示されたら完了です。「c:\eclipse\eclipse.exe」ファイルのショートカットやクイック起動を作っておくと便利です。なお、各種設定と利用方法については、第2回で説明します。
Eclipse 3.4の新機能
第1回の最後に、Eclipse 3.3以前を利用している方向けに、Eclipse 3.4の新機能からいくつかをピックアップして紹介します。なお、Eclipse固有の用語に関する説明の大半は第2回以降で行いますので、ここでは割愛します。よって、今回初めてEclipseを利用する方は読み飛ばして結構です。
- 「ソフトウェア更新」機能の改良
インストールしたい機能のみを選べば、関連する更新や追加が自動的に行われるようになりました。また更新サイトのURLを設定画面にドラッグ&ドロップで渡すことができたり、使用可能なソフトウェアの一覧においてフィルタリングが可能になったりと、ユーザーインターフェースが改良されています。 - 「問題」「タスク」「ブックマーク」ビューの改良
表示したい情報の種類を選択できるようになるなど、ユーザーインターフェースが改良されています。 - システム・プロキシー構成の選択を追加
ネットワーク接続において今までの「インターネットに直接接続」「手動プロキシー構成」に加えて、「システム・プロキシー構成(使用可能な場合)」が選択できるようになりました。 - 64ビットアーキテクチャに対応
Windowsの64ビット版、HP-UXのIA64版に対応しました。 - dropinsフォルダ
アプリケーションと独立した追加のプラグインを格納するフォルダとして「dropins」フォルダを設定しました。なお、Eclipse 3.4.1 Ganymede SR1ベースの「Pleiades All in Oneパッケージ」では、Pleiadesプラグインが「dropins」フォルダに格納されます。 - 正規表現によるテキスト検索の拡張
例えば、プラットホームに依存しない改行として「\R」が利用できるようになりました。 - ホバー操作の改良
これまでF2キーを押すことで操作をホバーに切り替えて(リッチ化して)いましたが、マウスカーソルをホバー内に移すだけで操作できるようになりました。あるいは設定において「ホバーを閉じる」「即時リッチ化」「遅延リッチ化」「クリックリッチ化」から選ぶこともできます。
これら以外については、起動直後の「ようこそ」画面で星印の「新機能」アイコンをクリックすると表示される「What's New」ページ(英語)でご覧ください。なお、このページからはEclipse本体(Eclipse Platform)、Java開発ツール(Java development tools)、タスク管理ツール「Mylyn」の新機能情報を見ることもできます。