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Silverlight 2でのデータバインディング

Silverlight 2で作成する業務アプリケーション入門(5)

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2009/01/29 14:00
目次

サンプル1:DataGridを使った顧客リストの取得

 では実際にサンプルを通してSilverlightのデータバインディングを体験してみましょう。サンプル1ではデータバインディングによりWeb上の顧客リストをXML形式で取得し、DataGrid上に表示します。

 以下に成功時の画面を示します。

サンプル1を実行・成功画面
サンプル1を実行・成功画面

サンプル1の構成

 サーバからXML形式のデータを非同期的に取得し、LINQ to XMLを使用してデータを加工したうえでDataGridにバインドします。

 以下に簡単な構成図を示します。

図:サンプル1の動作モデル
図:サンプル1の動作モデル

 以下に作成するファイルを示します。

サンプル1で作成するファイル
サーバ/クライアント ファイル名 概要
クライアント側(DataBindApplicationプロジェクト) Page.xaml メイン画面を定義
Page.xaml.cs メイン画面のビハインドコード
Customer.cs XMLの各要素をプロパティに持つクラス
サーバ側(DataBindApplication.Webプロジェクト) /App_Data/Customer.xml 顧客リストの実体
Default.aspx XML形式のデータを返すページ(Silverlightからはこのサービスにアクセスする)
Default.aspx.cs ビハインドコード

 ではサンプルの作成に移りましょう。Visual Studio 2008で新しいSilverlightプロジェクトを作成します。今回のサンプルプロジェクトの名称は「DataBindApplication1」としました。

顧客データWebサービスの作成

 まず、サーバ側から作っていきましょう。この部分はSilverlight 2とは直接関係ありませんので、コード自体の詳細な説明は行いません。

 最初に、顧客リストのデータソースであるXMLファイルを準備します。ソリューションエクスプローラで[ソリューション]-[DataBindApplication.Web]-[App_Data]から右クリックし、[追加]-[新しい項目]を選択します。[テンプレート]で[XMLファイル]を選び「Customer.xml」と名前を付けて[追加]ボタンを押下します。ソリューション上にCustomer.xmlが追加されます。

 Customer.xmlを右クリックから開きメインウィンドウで編集します。サンプルでは次のようなデータソースを使用します。内容は適当に準備したものです。各顧客(Item要素)にID、名前(Name要素)、所属企業(Work要素)、メールアドレス(Mail要素)、チェック欄(Check要素) 、そして予定欄(Ref要素)のフィールドを設定しました。ここには3件分のリストだけ示しますが、サンプルファイルには8件のデータが入っています。

Customer.xml
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<Customer>
    <Item>
        <ID>1001</ID>
        <Name>佐藤裕</Name>
        <Work>赤井商事</Work>
        <Mail>mailto:sato@***.com</Mail>
        <Check>false</Check>
        <Ref>14日プレゼン</Ref>
    </Item>
    <Item>
        <ID>1002</ID>
        <Name>田中浩治</Name>
        <Work>青田産業</Work>
        <Mail>mailto:tanaka@***.com</Mail>
        <Check>false</Check>
        <Ref>札幌出張</Ref>
    </Item>
    <Item>
        <ID>1003</ID>
        <Name>高橋学</Name>
        <Work>白石興産</Work>
        <Mail>mailto:takahashi@***.com</Mail>
        <Check>true</Check>
        <Ref>明日来社</Ref>
    </Item>
...以下省略...

 顧客リストを収めたXMLファイルが作成できましたので、続いてサーバ上にASP.NETで簡易XMLサービスを立ち上げます。

 プロジェクトを作成するとDataBindApplication1.Webソリューション上に自動的に「Default.aspx」ファイルが作成されますが、今回はこのファイルに追記してXMLサービスを提供しましょう。書き換えるのはビハインドコードのみです。ソリューションエクスプローラで「Default.aspx」のビハインドコード「Default.aspx.cs」を右クリックし[開く]を選択しましょう。以下に追記後のコードを示します。

Defaut.aspx.cs
using System.IO; //usingディレクティブを追加する
using System.Text; //usingディレクティブを追加する
namespace DataBindApplication1.Web
{
    public partial class _Default : System.Web.UI.Page
    {
        protected void Page_Load(object sender, EventArgs e)
        {
            Response.ContentType = "text/xml";
            Response.Output.Write(File.ReadAllText(Server.MapPath("~/App_Data/Customer.xml"), Encoding.UTF8));
            Response.End();
        }
    }
}

 コードの詳細は省略しますが、App_Data/Customer.xmlファイルをレスポンスとして出力しています。実際にソリューションエクスプローラで「Default.aspx」を右クリックし[ブラウザで表示]を選択すると、ブラウザ上に作成したXMLファイルが表示されるはずです。

 サーバサイドでもう一つ作業があります。クライアントのみで動作するアプリケーションであれば、サーバ側プロジェクトで使用するポートを意識する必要はありませんが、サンプルでは、クライアント側からテストサーバ側に随時アクセスしてデータを取得するので、ポートを明示する必要があります。[ソリューション]-[DataBindApplication.Web]を右クリックして[プロパティ]を選択します。[Web]タブの中程から下あたりに[VisualStudio開発サーバーを使用する]のラジオボタンがありますが[ポートを指定する]に変更しましょう。何番ポートでも構いませんが、今回は8080としました。クライアントサイドからテストサーバにアクセスする際にはこのポートを利用します。もちろんこれはテスト環境での設定ですので、実際にWeb上でサービスを提供する場合はサーバの構成に合わせてポートを指定する必要があります。

テストサーバにポートを設定
テストサーバにポートを設定

 以上で、簡易Webサービスの実装は完了です。


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著者プロフィール

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XM...

  • WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂...

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