ハブ機能を働かせる
もしも「うちの社内コミュニティの目的はどう設定すればいいのですか?」と聞かれると、「そりゃ、それぞれで違います」というしかないのですが(笑)、このシリーズのタイトルでもある「社内シナプスの活用」という観点から、X.PUGの事例をもとに、社内コミュニティの目的について考えてみましょう。
インプットを共有する
社内コミュニティに参加しているメンバーは、前回にもお伝えしたように、社内に出現したコミュニティという大きな脳の感覚器官になっているわけです。それぞれが抱えている業務も違えば、所属する部署の文化も違い、感じ取るものも違います。つまり、たまたま同じ組織に属しているものの、一人ひとりが違った感覚器官を持っているわけです。
組込み業界に限らず、ソフトウェア、ハードウェアともに、セミナーやカンファレンス、ワークショップなど、いろいろなイベントが社外にはありますが、地理的な問題や、時間的な問題などで参加できないこともあります。プロジェクトが終盤で佳境を迎えている時には、どんなに行きたくても参加できない状況は、誰もが一度なりとも体験していることでしょう。でも、イベントに参加してきたメンバーが社内コミュニティに一人でもいれば、結果を共有することができるはずです。もちろんイベント現場にリアルに参加するほど大きなインパクトはないかもしれませんし、全ての詳細内容を紹介してもらえるわけではないかもしれませんが、世に放たれた感覚器官は、なんらかの情報をインプットして戻ってきてくれます。ちいさなインプットだとしても、蓄積して共有していくことで、社内コミュニティという脳を経由して、社内シナプスが効果的に働き始めるのです。
社内コミュニティをハブ機能に
また、感覚器官のインプットを受ける側のメンバーは、コミュニティに参加しているようなメンバーですので、アンテナも強く、常に何かを得ようと敏感に待機しています。なので、発信する内容は、ほんの些細なことで大丈夫です。上司に提出する公式出張報告のように「業界の取組みと動向」「コンペティターの分析」「自分の今後のアクションプラン」などなど、かたくるしい報告は必要ないのです。「こんな人に会いましたよ!」とか、「こんな発見がありましたよ!」などなど、一言の感想でも構いません。参加メンバーは「次回のイベントには絶対参加するぞ!」とか「講師の書籍を読んでみよう」とか「イベント参加者の書いたBLOGをネットで検索してみよう」などなど、自分自身のアクションにつなげてくれるはずです。細かい内容よりも、イベントへの感動を共有できたほうが、効果はあるわけです。
同様に、このような環境が社内コミュニティにできあがると、社内の事例紹介なども効果的に伝わり始めます。「こんなことやってみたんだよ!どう?」という簡単な紹介だけでも、参加メンバーのちょっとした活動のきっかけになりますし、情報共有も活発化されます。
例え一人がインプットできる情報が少なくとも、社内コミュニティをハブ機能として使うことにより、社内シナプスが活性化してくることになるわけです。ひいては、社内コミュニティが、一つの動きとして、社内に影響を与えるような存在に変わっていくはずです。

