C#によるシリアル通信の書き方
実際にC#でプログラムを作成する場合の書き方を説明します。
//送信処理
using System.IO.Ports;
//SerialPort
オブジェクトの生成(1)
SerialPort port=new SerialPort("COM1",9600,Parity.None,8,StopBits.One);
//通信の設定(2)
port.DtrEnable = true;
port.RtsEnable = true;
//通信開始(3)
port.Open();
//送信(4)
port.Write("9\n");
//クローズ(6)
port.Close();
//受信処理
using System.IO.Ports;
Byte[] data=new Byte[100];
//SerialPort
オブジェクトの生成(1)
SerialPort port=new SerialPort("COM1",9600,Parity.None,8,StopBits.One);
//通信の設定(2)
port.DtrEnable = true;
port.RtsEnable = true;
//通信開始(3)
port.Open();
//受信(5)
port.Read(data,0,port.BytesToRead);
//クローズ(6)
port.Close();
VS2008でプログラムを組む場合、標準でシリアル通信関数が組み込まれています。通信方法はファイルのオープン/クローズに似ています。
まず、ドライバーに対してシリアル通信を始めたい趣旨を伝えます。これがオープンです。通信が終わると、クローズ処理です。この間のデータがケーブル内で送受信されます。
リストの解説
もう少しリストの内容を細かく説明します。
まず、(1)は通信をオープンするための設定です。SerialPort
コンストラクタの構文は、次のとおりです。
public SerialPort (string portName, int baudRate, Parity parity, int dataBits, StopBits stopBits)
引数 | 概要 |
portName | ポート名(COM1、COM2など) |
baudRate | ボーレート(1200 2400 4800 9600 19200 38400 115200など) |
parity | チェックコード(Even None Oddなど) |
dataBits | 一個の文字を送るときのビット数(8か7) |
stopBits | ストップビット(One Twoなど) |
次に、DtrEnable
プロパティでDTR(Data Terminal Ready)データ端末レディの、RtsEnabled
プロパティでRTS(Request To Send)送信要求の信号を送信します(2)。DTRは「端末が受信準備ができました」という、RTSは「送る準備ができました」という信号です。
これで通信の前準備ができましたので、Open
メソッドで通信を開始します(3)。
(4)は送信命令、\nはリターンコードで一行の終了を表します。(5)は受信命令です。
(6)でクローズ命令を出して終了です。
送るたびに毎回オープン・クローズを行っても良いですし、プログラム立ち上げ時にオープンしておき、内部で送受信を行い、プログラムが終わるとき、クローズしてもかまいません。
まとめ
シリアル通信について、プログラム作成側から見たイメージを説明させていただきました。一文字(8ビット)を8本の線を使って同時に送るものがパラレル通信、1本の線で1ビットずつ決められた速さで8ビット分送るのがシリアル通信です。このパラレル通信、シリアル通信というのはよりハードに近い部分の通信形態につけられた名前です。この通信形態にのっとって、片方ずつ通信を行うものが、半二重通信、同時に通信を行うものが、全二重通信と言われています。
以上、今回はシリアル通信の概要からC#を使ったシリアル通信の実装についてまでを解説しました。引き続き後編では、シリアル通信を使った具体的なアプリケーションを紹介します。