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独善のススメ

【第2回】手始めに自分を独善する


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 第1回では、「独善」の概要について述べました。ここからは、筆者が実践してきた独善の実例を紹介します。第2回は「自分を独善する」と題し、ソフトウェア業界では非常に多い「残業時間」を主題に、独善の実例を紹介したいと思います。

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改善は会社がやってくれるもの!?

 入社後の数年間、先輩達に混じって多忙な毎日を送っていました。祝日やクリスマスなどのイベントデーに休日出勤や残業をすると、帰りの電車の中で「どうすれば残業が減って、楽になれるのかなぁ・・・」と、1人考え込んでいました。それでも最初の頃は、「会社がそのうちなんとかしてくれるだろう」と楽観視していました。

 しかし、現実は、新規要員の追加か、「がんばってください」という激励がほとんどで、現場が真に望む対策は得られませんでした。たとえ会社側から「残業削減」の指示があったとしても、リーダーからの「納期最優先」という免罪符の方が強く、いく度となく厳しい“山越え”を経験してきました。

 休日出勤や残業はつまらないものではありますが、「お仕事」である以上、納期までに仕上げて納品し、利益を確保しなければなりません。そのため、利益確保と残業時間削減を両立させることは非常に難しく、会社側も有効な対策が打てないのが現実だと思います。

なかなか抜け出せない負の連鎖

 会社側の対策が期待できないのであれば、現場側が改善するという方法が考えられます。こちらについてはどうでしょうか。

 現在の状況を改善するためには、問題点を抽出し、改善策を決めて、その改善策を実際に導入するといったプロセスが必要です。また、これらのプロセスを実施するためには、検討や導入などの時間が必要です。

 しかし、私が経験してきた現場はいつも多忙で、立ち止まって仕事以外の事を考える精神的ゆとりを持つことができませんでした。ときおり仕事が途切れて精神的ゆとりが持てたとしても、そんなときは仕事の事は頭の片隅に追いやられ、ひたすら安息の時間に身をゆだねることになります。その結果、現場の問題は何も改善されないまま多忙な状態に戻ってしまい、「どうすればこの負の連鎖断ち切れるだろうか・・・」と悩む日々に舞い戻ってしまいます。

図1:何も改善されない負の連鎖

 図1のように、何も改善されることなく辛く悲しい状況が続くことを、「負の連鎖」と呼びます。過去の経験から、「負の連鎖」を断ち切るためには、何らかの“ターニングポイント”が必要です。残念ながら、私が参加してきたプロジェクトでは、“ターニングポイント”となる出来事はほとんどありませんでした。確かに残業時間の多いプロジェクトばかりでしたが、残業時間は恒常的に多いため、”ターニングポイント“とはなりませんでした。

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負の連鎖を断ち切るために

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この記事の著者

にし たけよし(ニシ タケヨシ)

某社で組込み系ソフトウェア開発に従事。ソフトウェア開発手法に興味を持ち、様々な手法にチャレンジしている。社内/社外を問わず、様々なセミナーやワークショップにも出没。最良のソフトウェア開発手法を追い求め、日夜修行中。知る人ぞ知る、自称『歌って踊れるプログラマ』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/3803 2009/04/03 11:29

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