Flexフレームワークの開発環境について
詳しくは次回の記事で解説しますが、現在Flexフレームワークを使った開発環境としては、Eclipseをベースにした「Adobe Flex Builder」を用意しています。このAdobe Flex Builderは単体で動作するスタンドアローン版と、Eclipseのプラグインとして動作するプラグイン版の2つに大別できます。AdobeがAMF3をJavaに対して公式にサポートしていることに加えて、同じJavaの開発環境であるEclipseを利用できることで高い親和性を実現しています。
既にサーバサイドでの開発を行っているユーザーであれば、プラグイン版で開発環境を一本化できるほか、スタンドアローン版でも同等の使い勝手が得られ、デバッグしやすい環境を手に入れることができます。またFlexフレームワークで開発する際には、ActionScript 3を利用します。このActionScript 3はJavaと同様にオブジェクト指向の言語です。このためJavaで利用されてきたデザインパターンがActionScript 3で流用できるほか、シンタックスについても似ている部分があるなど、Javaとの親和性が高いと言えるでしょう。
RIA開発において、これまでのサーバサイドアプリケーションとの大きな違いは画面設計にあります。これはFlexフレームワークに限った話ではありませんが、開発初期の段階で細かい単位で画面設計を行っておかなくては、その後の作業は厳しくなってしまいます。逆に、それ以外のファイル構成やクラス設計といった部分についてはクライアントアプリケーションの作成はサーバサイドアプリケーションの開発とほぼ同じと言っても差し支えないでしょう。
またサーバサイドの開発については、AMF3を使うか使わないか、という点を除けばこれまでのフレームワークやデザインパターンを活用できます。つまりFlexフレームワークを活用するだけで、従来のスキルにRIAという新しい形を与えることができるのです。
実際にFlexフレームワークに触れてみよう
Adobeでは現在、製品版の「Adobe Flex Builder 3」の体験版、もしくはベータ版の「Adobe Flash Builder 4」をダウンロードして実際にFlexフレームワークの開発環境を試すことができます。
もちろん「最新技術をすぐに体験したい」というユーザは「Adobe Flash Builder 4」をダウンロードしたいと思われるでしょう。しかし、まずは日本語の情報が広く公開されているAdobe Flex Builder 3の利用をお勧めします。
これはAdobe Flex Builder 3が、現在9割のPCにインストールされているFlash Player 9をターゲットにしており、非常に広い環境で利用できるためです。またAdobe Flex Builder 3で経験した知識は、Adobe Flash Builder 4の正式版が登場しても無駄になることはありません。
次回はAdobe Flex Builder 3の体験版をベースに、実際にFlexフレームワークを活用したアプリケーションについて見ていきたいと思います。