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イベントレポート

twitterや「Amebaなう」のかげでヒッソリとベータテストされている「はてなハイク2」はいったい何を狙っているのだろう?


開発者が明かす「はてなハイク2」にかける思い

 それにしても、昨今のtwitterブームによるマイクロブログや、Facebookなどのアクティビティストリームのような「リアルタイムウェブ」という流れの中で、はてながミニブログサービスをテコ入れしてくることは、それほど違和感のある話ではない。しかし、まさか「はてなハイク」をケータイ向けにリニューアルしてくるとは予想外であった。

 去る11月28日に京都市内でサービス発表会を兼ねて開催されたユーザー会「第3回 HUG Kyoto(Hatena Users Group Kyoto)」の席で、「はてなハイク2」ディレクターである伊藤直也はてなCTOに、なぜ「ケータイ」だったのか? などをうかがった。

――ケータイメインでサービスをリリースするのは初めてですよね?

 もともと自分たちの家族や、ネットをあまりしない友だちともコミュニケーションしたくて、そういう人たちに使ってもらえるサービスを作りたかったんです。想定しているユーザーにパソコンを使ってない人が多いから、必然的にケータイしかない。じゃあケータイで作ろうか、っていうところが始まりなんですよ。

 京都に来て「パソコンを普段あまり使いません」って知り合いが増えて、そうなるとケータイじゃないとつながりようがないっていうのを痛感してしまって。

――でも、まさか「ハイク」をリニューアルするとは予想外でした。

 いちおう「リニューアル」ということになってますけど、もともとこれ(ハイク2)を作るつもりじゃなかったんですよ。友だち同士だけで使えるコミュニティを中心としたサービスを考えてたんです。

 最初は「はてなグループ」のケータイ版みたいな、ぜんぜん別のサービスを作っていて、もっと「ケータイブログ」っぽかったんです。でも、ブログっぽいとケータイじゃ書けなくて、いったんオクラ入りになったんですが、合宿で「もう少し(発言を)短くしてみよう」っていう近藤のアイディアも入れて作り替えているうちに、twitterみたいな「つぶやき」サービスになって、「これってハイクだよね」ってことになったんです。

――現行の「はてなハイク」やtwitterとの違いは何でしょう?

 設計思想としては、「セミプライベート空間」ということです。

 twitterみたいな(デフォルトで全世界に公開されている)のもいいなと思うんですが、例えば「今ここで食事している」みたいな発言を、男性ならいいですけど、若い女性はなかなか言えないと思うんですよね。そういうことを考えると、そのへん(自分の友だちだけにつぶやけること)にミニブログの需要ってあるんじゃないかな。

――公開範囲をうまくマネジメントできるミニブログってこれまでもあまりなかったと思うんですが、参考にされたサービスはありますか?

 ミニブログはあまり参考にしてないですね。ケータイだけの人の8割方はmixiを使ってるので、mixiの方がよっぽど見てます。みんなどうして日記を書かなくなっちゃったんだろうとか。

 ちょうど同じ時期に、GREEも自分の友だち同士だけのミニブログを作ってたのは、ちょっと似てますね。ブログが流行ったときに各社すぐブログサービスを始めたけど、そのうちSNSが出てきて、セミプライベート空間にみんな移っていった。もしかしたマイクロブログでも、ある程度は同じことがあるのかな。

――機能の話ですが、GPS連動(イマココ!)やpoke機能(つっつき)もあってて、後発だけにほかのSNSにあるようないろいろな機能をもらって来て、何でもありの豪華なサービスにしてるように感じたんですが。

 いや、やっぱりケータイじゃないですか。機能を詰め込むと、わけわからなくなっちゃうんですよ。そこはパソコン以上に気をつけないといけなくて、なるべく要らない機能は排除していきたいです。ちなみに「つっつき」は近藤が作ったんですけど、他のサービスのことは知らなくてたまたまあの形になっただけみたいです。

 今まで「はてな」を使っていただいてる方より、むしろ「はてなって何?」って方に使ってもらいたので、自分の両親に使ってもらうとしたら、あんまり機能がいっぱいあっても使えなくなっちゃう。

 はてなではプロフィールを「Myはてな」に置いてるんですが、そうするとプロフィールを変更しに行ったら別のサイトになるので、ハイクに帰ってこれないということもあったんです。だから、なるべく「ハイク2」のサイト内で完結するくらいのシンプルさを保つようにしています。

――正式リリースに向けてのロードマップはどうなってますか?

 (サービス発表会の質疑応答で)中西先生(京都造形芸術大学の中西洋一准教授、HUG Kyoto主催者)からも質問があったんですけど、同じ友だちでも「この人たちに友だち」と言うときの顔と「こっちの人たちに友だち」っていうときの顔って違うじゃないですか。そういう使い分けがまだぜんぜん解決できてない。

 社内で使っているときは1種類の「友だち」しかいなかったんですが、(クローズドベータに移行したことで)人が入ってくれば、この人には見せたいけどこの人たちには見せたくないって需要が絶対に出てくる。僕もこのイベントで社外の人とも「友だち」になったから、社外秘的なことはしゃべれなくなってるし。

――発言ごとに公開範囲を変える機能はほかのサービスにもありますが、あらかじめユーザーをグループに分類して、発言時にグループを選ぶのは意外と面倒ですよね。

 そういうんじゃダメなんでしょうね。自分でコントロールしろっていうことじゃなくて、自然とそうなる、という感じの機能を作りたい。いろいろアイディアはあります(注1)。これが解決できてから、正式版にしたいな。

――「ハイク2」はこのままケータイサービスでいくんでしょうか?

 ケータイでっていうのは、1番使ってほしいユーザーがケータイでしかつながれないから、とっかかりとして選んでいるんです。ほんとにこのサービスが芽があるなら、さっきも質問がありましたけど、iPhoneアプリとかAndroidのような、デバイス的なことは模索していきたいです。パソコンでも、もうちょっとちゃんと使えるようにはしたい。

――ありがとうございました。期待しています。がんばってください。

注1

 イベント後に配信されたプレスリリースでは「分身」という機能名で予告されている。

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この記事の著者

モーリ・タロー(モーリ・タロー)

フリーダムなIT系編集者・ライター90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。2008年に独立し、現在はソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。hatena: http://www.hatena.ne.jp/mohritwitter: http://twitter.com/mohriFacebook: http://www.facebook.com/imkt5l

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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