4月22日、マルチメディア推進フォーラム(事務局:ハイテクノロジー推進研究所)主催の講演が行われた。今回は「サイバー攻撃の脅威とその対策の動向」と題して、各界の研究者やアナリストによる報告やセミナーが開催された。その中で、JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)情報セキュリティアナリスト Jack YS LIN氏による、中国のサイバーセキュリティ事情の総括レポートについて紹介する。
急速な発展を見せる中国のインターネット市場
まず、中国総人口13.2億人のうちおよそ3.84億人がインターネットユーザーであり、普及率は28.9%(2009年)となっている。LIN氏によれば、おそらく2010年中には4億を超えるだろうとのことだ。インターネットユーザーのうち約90%がブロードバンド接続をしていると発表されている。中国でもブロードバンド接続と言うとADSLやFTTHなどの常時接続方式をいう。また、参考情報ながら、中国でのインターネット接続料の目安は、8Mbpsサービスで498元/月、1Mbpsで138元/月というデータも示された。
続いてLIN氏は、普及率で3割弱でありながら既に4億近いユーザー数となる中国のインターネット市場の発展状況について発表した。IPv4アドレスは2007年に1.35億個の割り当てだったものが2009年には、2.32憶個まで伸びている。電気通信設備などへの固定資産投資額は1941億元だったものが2773億元(比較年度同前、以下同)となっている。ネットゲーム市場規模は、128億元から260億元と倍増しているそうだ。DoS攻撃ツールや攻撃サービスなどのアンダーグラウンド市場は、3.8億元から7億元に増えているとのことだ。