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「JavaからFlexへの移行で困ったこと? 一度もありませんね」 ― Adobe Flexのエキスパート達が語るRIA開発の最前線

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Flexをフロントの実装技術に採用するメリット

横田氏
シビアな評価基準のある業務系Webアプリケーションでは、「OSの種類とバージョン」と「ブラウザの種類とバージョン」の組み合わせの数だけテストケースが発生するので、テストがとても大変になりますよね。
横田氏
上条氏
プログラム実行時の振る舞いは、結局はOSやブラウザを作っているベンダーの実装しだいですからね。
横田氏
その点、Flexで開発したアプリケーションであれば、OSやブラウザが違っても見た目や振る舞いが大きく変わりませんから、テストケースを大幅に減らすことができます。またFlexの場合、クライアントとサーバの間の通信がAMFというデータフォーマットでカプセル化されますから、通信部分のテストケースも大幅に減らせます。これが、プレーンなXMLをそのままやりとりするようなアプリケーションだと、大変なことになります。
上条氏
ちなみにFlashというと、どうしてもユーザーインタフェースの使い勝手の向上というところが注目されがちですね。
横田氏
よく誤解されているのが、Flashはビジュアルをきれいに見せる技術だと思われていることですね。「どうせユーザーは操作中に画面を見てないから、見た目がきれいになってもしょうがないよ」といった具合です。
上条氏
美しく見せる技術としてとらえられているということですね。そうではなくて、例えば異なる2つのアプリケーションの画面をFlexを使って1つにまとめれば、これまで別々に行っていた入力操作を一元化して、業務を効率化できます。こういったFlexの事例は、割と多いですが見逃されがちですよね。
横田氏
参照系の処理でいえば、Flexではグリッド機能やチャート機能などを持った既存のコンポーネントがたくさんそろっていますから、それらを使えば開発作業をかなり効率化できます。また、今までのWebアプリケーションは画面とロジックが混ざり合った作りのものが多かったですよね。これがRIAになると、サーバ側の処理を全部サービス化して、画面と分離できるというメリットがあります。
上条氏
ちょっと古い言い方ですけど、SOAですね。
横田氏
その通りです。フロント層は次々に新しい技術が台頭したり、スマートフォンのような新しいデバイスが出てきたりしますが、バックエンドのデータ層はそうそう変化しません。10年、20年と運用されている古いデータベースは、それだけ長く安定稼働しているということですから、データ層のサービスとして今後も有効活用するべきです。
轟氏
それはとても大事な視点だと思います。少なくとも、MVC(Model-View-Controller)モデルに基いて設計されているアプリケーションであれば、レガシーなバックエンドシステムをサービス化した上でRIAに移行することで、劇的に変わる可能性を秘めています。
轟氏
横田氏
フロント層に関して言えば、クライアント/サーバシステムからのリプレースでは、Flexでは満たせなくなる要件が出てくる可能性はあります。その辺りは、あらかじめ洗い出しておかないと後々トラブルの元になりかねません。
轟氏
これまでよく言われていたのは、「ファンクションキーが使えなくなる」ということでしたね。でもこれは、Adobe AIR 2(以下、AIR)で使えるようになりました。
上条氏
確かにAIR 2以降では、やろうと思えばほぼ何でもできてしまいますね。
轟氏
例えば、JR北海道さんではFlexで運行業務システムをリプレースしましたが、ユーザーインタフェースの操作性は一切変えていません。しかもこれは、かなりミッションクリティカルなシステムです。
上条氏
Flexは金融系企業の社内システムでも採用されていますし、ミッションクリティカル環境でも実績がありますね。

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FlexとJavaの組み合わせによるWebアプリケーション開発

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/5541 2010/11/10 14:00

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