ウィジット関連
ウィジットとは、デスクトップやブラウザ上で動作するミニアプリケーションのことを指しますが、その作り方などが標準化されています。
ウィジットといえば、すでにWindows Vistaに搭載されたサイドバーガジェットや、Windows 7に搭載されたデスクトップガジェットが有名です。また、各ブラウザベンダーもブラウザをベースとしたウィジット機能を搭載し始めています。こういったミニアプリケーションが、特定の企業が策定した環境ではなく、ウェブ標準のテクノロジーとして作成することができるようになります。
デバイス関連
近年はパソコンのみならず、スマートフォンなどの新たなデバイスでのウェブテクノロジーの利用が進んできました。現在販売されているスマートフォンにはカメラやマイクロフォンが搭載されていますが、JavaScriptからこのようなデバイス内蔵の機能にアクセスするための仕様が策定されています。
カメラやマイクロフォンによって取られた写真や動画などを扱うのがMedia Captureです。Media Captureによって、ウェブアプリケーションから、ディスク上のメディアファイルを取り込んだり、内蔵カメラを使った写真撮影やビデオ撮影、そして、その撮影された写真やビデオデータの取り込みが実現できます。

また、カメラやマイクロフォンから入力される映像や音声をストリームとして扱うのがdevice要素です。ビデオチャットなどの利用が想定されています。
JavaScriptを通して、デバイスのハードウェアの情報にアクセスするための仕様も策定されています。
CPUの負荷状況、ネットワーク利用帯域、バッテリー状況など、通常であればデバイスに搭載されたOSやネイティブアプリケーションでなければ取得できない情報を扱うことができるようになります。
さらにハードウェアからソフトウェアに目を移すと、どのデバイスでも、ネイティブアプリケーションを起動するランチャーが用意されています。通常、ランチャーは、OSの機能として用意されますが、ウェブアプリケーションがランチャーを担うことを可能にする仕様が策定されています。
このAPIでは、OS上にインストールされたさまざまなネイティブアプリケーションを起動することが可能となります。
位置情報関連
スマートフォンなどではすでにおなじみの位置情報(緯度や経度など)は、Geolocation APIで規定されています。
DeviceOrientation Eventは、デバイスの傾きを扱います。ゲームでおなじみのWiiリモコンのような機能をスマートフォンで実現したり、傾きを使ったゲームなどの応用に期待されます。
ワーカースレッド
JavaScriptで非常に重い処理を行うと、ブラウザが固まってしまいます。しかしWeb Workersを使うことで、JavaScriptの処理をバックグラウンドで実行することができるようになります。
Web Workersは、ウェブテクノロジーがアプリケーションプラットフォームとなるうえで非常に重要な機能と言えます。すでに、Firefox、Opera、Safari、Chromeの最新版には実装されています。
クリップボード
現時点では仕様としての成熟度は低いといえますが、クリップボードを扱うAPIも策定されています。
このAPIでは、クリップボードを経由したコピー、カット、ペーストといったOSネイティブアプリケーションでは当たり前となっている機能をウェブアプリケーションでも実現するものです。
このAPIはもともとはHTML5仕様の一部だったのですが、現在は独立した仕様として分離されています。
ウェブテクノロジーの将来
先ほど紹介した仕様は、W3Cが策定しているAPIのごく一部でしかありません。また、筆者が恣意的に選んだものです。当然、これら以外の重要な仕様が数多く存在していることを忘れてはいけません。あらゆる仕様が有機的に結びつくことで、ウェブテクノロジーがアプリケーションプラットフォームになり得るのです。
また、前述の仕様を見ると、ほとんどが一般のウェブページ向けのAPIでないことははっきりしています。これらは、OSがネイティブアプリケーション向けに提供しているAPIに近いと言えます。将来、これらの仕様が利用できる環境が整えば、オープン・ウェブテクノロジーはウェブページだけではなく、アプリケーションプラットフォームそのものになり得ると言っても過言ではありません。
これらの仕様がいつ確定し、そしてどのデバイスでいつ利用できるようになるのかは分かりません。しかし、ウェブのテクノロジーが多くのデバイスのアプリケーションの基盤となっていくことは間違いありません。これは、HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブテクノロジーの利用範囲が大幅に広がることを意味し、多くのエンジニアが避けては通れないスキルになっていくと言えるでしょう。
