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リレーションシップ駆動要件分析による実践的な要件定義手法

要件定義支援ツール「要件のツボ」によるRDRAの実践

リレーションシップ駆動要件分析による実践的な要件定義手法(4)

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素早く要件を定義する

議論を促進する

 要件定義が時間切れで要件が詰め切れていない場合は、プロジェクトのリスクが非常に高まります。要件定義工程では要件を組み立てることに時間をかけるべきで、要件定義の方法や要件定義書を書く作業などに時間をかけないようにすることが重要です。要件定義工程での時間の節約はプロジェクト全体に関わる重要事です。その時間短縮こそ「要件のツボ」を活用する最大のポイントになります。

議論を促進する仕組み

 要件定義は関係者が集まって議論しながら決めていくことが大事であり、効果を上げるためには議論を促進する仕組みが必要になります。その仕組みとしてRDRAの情報のつながりが有効です。

 打ち合わせの場においてプロジェクターでこのツールを表示し、議論しながら個々の定義内容を入力します。定義情報全てがツールに入っているので他の定義部分を参照し、その関係性なども確認しながら進めます。

 打ち合わせの場でツールを使うためにはスムーズに登録できることが必要です。入力チェックに引っかかり先に進まないことや、直感的な入力ができないなど、議論の腰を折るような入力方法ではうまく活用できません。簡単に入力でき、分析機能も追加入力なしで扱えることが大事です。

 さまざまな視点から定義した情報を分析することで、有効な議論を行うことができます。ある程度定義情報が集まった後は、複数の視点から定義した情報を見直すことで問題の発見や、新たなアイディアが湧くことがあります。ツールを活用し、議論のネタを発見しながら要件を組み立てることで精度の高い有効な要件定義が可能になります。

発散と収束をコントロールする

 議論は発散と収束をうまくコントロールすることが大事です。最初の段階では議論を発散させて、有効な意見やアイディアが出やすいようにします。そして、出てきた発言はそのままどんどん登録していきます。ある程度議論し発散が一段落したところで、今度は収束させます。収束は情報のつながりを再度確認し分類統合することで情報を整理できます。

 分類することで今まで見えてこなかった全体像が見え、手薄だったところや抜けが発見できるようになります。

 この発散で定義情報を洗い出し、洗い出した情報を分類整理することで収束させることを繰り返し、網羅的で均一な定義情報にしていきます。

分類方法

 「要件のツボ」では分類の方法として2種類の方法を提供しています。モデル全体を分類するパッケージとモデル内で情報を分類するカテゴリです。

 1つのパッケージには全モデル情報が入るので、規模の大きな場合にはサブシステムごとにパッケージを分けることも可能です。カテゴリはモデル内の情報を分類するために使用し、要求モデルでは予め「要望」「機能要求」「非機能要求」「要件」をカテゴリとして分類しています。情報を整理するためにカテゴリを利用すると、とても見やすくなります。

 わかりやすい要件定義にするために各定義情報の特徴をつかみ、適切なカテゴリに分類することが大切です。

参考資料

 RDRAを詳しく知りたい方は「要件定義マニュアル」を参照ください。手軽にRDRAの概要を知りたい方は「リレーションシップ駆動要件分析サイト」を、専用ツールを使った要件定義に興味のある方は無料で使える「要件のツボ:コミュニティエディション」をご覧ください。

まとめ

 今回は、要件定義に不慣れな方でも素早く要件を定義するための考え方とそのためにツールに何ができるかを紹介しました。次回は登録した情報を分析して精度をあげる考え方と、そのためのツールの活用方法を紹介します。

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この記事の著者

神崎 善司(カンザキ ゼンジ)

(株)バリューソース代表大手SIerにおいて大小10システム以上のプロジェクトリーダを勤め、20年ほど前に独立。2002年から5年間(株)豆蔵での社員も兼任しながら要件定義などの上流工程のコンサルティングを行う。2008年に要件定義手法「リレーションシップ駆動要件分析(RDRA)」を開発し現在はその...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/5848 2011/04/01 14:00

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