手順2. レポートの作成
[新しい項目の追加]で、図3のように[レポート Visual Basic]を選択して、新規にレポートを作成します。名前は既定の「Report1.rdlc」のままとします。
ドキュメントウィンドウには、「Report1.rdlc」のレポートデザイナーが表示されます。
初期状態では、図4のように白いキャンバスのみが表示されています。これは「本文」で、テーブルからのデータを繰り返し表示する、根幹の領域です。この後、以下の手順に従って、レポートの設定を行っていきます。
- 用紙の設定(A4横)
- ページヘッダーとページフッターの設定
- Tablix(本文の繰り返し行の枠)の設定
- フィールドの配置(本文)
- 項目名の配置(ページヘッダー)
- ページなどの設定(ページフッター)
(1)用紙の設定
図4のレポートデザイナーの白い用紙の外の灰色の部分で右クリックし、[レポートのプロパティ]をクリックすると、図5のようなダイアログが開きます。左ペインで[ページ設定]を選択し、[印刷の向き]を「横」に設定し、[余白]グループの[左]、[右]、[下]を1cmにします。なお、[上]はパンチ穴のため、2cmのままにしておきます。
(2)ページヘッダーとページフッターの設定
レポートデザイナーの白い用紙の外の灰色の部分で右クリックして、「ページヘッダーの追加」をクリックすると、白い用紙の上にページヘッダーの領域が追加されます。
同様に、「ページフッター」も追加します(図6)。
また、[プロパティ]ウィンドウで「ページヘッダー」を選択し、[BackgroundColor](背景色)にLightGrey(淡い灰色)を設定して、項目名とデータとの区別を付けます。
ページヘッダーとページフッターの[Height](高さ)は、部品の配置の際に自動的に広がってしまうので、後で設定します。
なお、「本文」の高さは、次の「Tablix」の高さを指定すれば、その単位で行が繰り返されますので、特に指定する必要はありません。
(3)Tablix(本文の繰り返し行の枠)の設定
[ツールボックス]ウィンドウの[レポートアイテム]グループから、[一覧]を「本文」にドラッグ&ドロップし、「データセットのプロパティ」ダイアログを開きます(図7)。
[名前]には既定で「DataSet1」と入力されています。
[データセット]から「DataSet1」、「使用できるデータセット」から「StoredProcedure1」を選択し、[OK]をクリックするとダイアログが閉じ、「Tablix」というオブジェクト(既定の名前は「Tablix1」)が配置されます(図8)。
[プロパティ]ウィンドウで、[Location]-[Left](左)と[Top](上)とに0cmを設定します。また、[Size]-[Width](幅)に27.7cmを設定します。
[Height](高さ)は、部品の配置の際に自動的に広がってしまうので後で設定します。
(4)フィールドの配置(本文)
[レポートデータ]ウィンドウを表示させると、[DataSet1]-[DataSet1]の配下に、テーブルのフィールド名が表示されています。[レポートデータ]ウィンドウが表示されていない場合は、レポートデザイナーをアクティブにする必要があります。
まず、1番目のフィールド「MemberID」を配置してみましょう。[レポートデータ]ウィンドウから「MemberID」をTablix内にドラッグ&ドロップします(図9)。
[プロパティ]ウィンドウで「MemberID テキストボックス」を選択し、[Location]-[Left](左)と[Top](上)とに0cmを設定します。また、[Size]-[Width](幅)に1.2cm、[Height](高さ)に0.4cmを設定します。続いて、[Font]-[FontFamily](フォント)にArial、[FontSize](フォントサイズ)に10ptを指定します。
他のフィールドもTablix内に配置して、表3のようにプロパティを設定します。
№ | フィールド名 | 左 | 上 | 幅 | 高さ | フォント | フォントサイズ |
1 | MemberID | 0.0cm | 0.0cm | 1.2cm | 0.4cm | Arial | 10pt |
2 | SeiKana | 1.2cm | 0.0cm | 2.6cm | 0.3cm | MS Pゴシック | 7pt |
3 | SeiKanji | 1.2cm | 0.3cm | 2.6cm | 0.4cm | MS ゴシック | 10pt |
4 | MeiKana | 3.8cm | 0.0cm | 2.6cm | 0.3cm | MS Pゴシック | 7pt |
5 | MeiKanji | 3.8cm | 0.3cm | 2.6cm | 0.4cm | MS ゴシック | 10pt |
6 | ZipCode | 6.4cm | 0.0cm | 1.9cm | 0.4cm | Arial | 10pt |
7 | Address1 | 8.3cm | 0.0cm | 9.4cm | 0.4cm | MS ゴシック | 10pt |
8 | Address2 | 8.3cm | 0.4cm | 9.4cm | 0.4cm | MS ゴシック | 10pt |
9 | TelNum | 17.7cm | 0.0cm | 2.8cm | 0.4cm | Arial | 10pt |
10 | MobileNum | 17.7cm | 0.4cm | 2.8cm | 0.4cm | Arial | 10pt |
11 | Remarks | 20.5cm | 0.0cm | 7.2cm | 0.8cm | MS ゴシック | 10pt |
続いて、罫線を描きましょう。まず外枠を描きます。「Tablix1」を作成した際に、その内部に四角形(既定値は、「Rectangle1」)も同じサイズで自動作成されていますので、これを使います。図10の右下部分の[プロパティ]ウィンドウから[Rectangle1 四角形]を選択し、[BorderStyle]-[Default]をSolidにすれば外枠が描かれます。
次は、データ間の縦罫線です。[ツールボックス]ウィンドウの[レポートアイテム]から[線]をドラッグ&ドロップします(図11)。既定では名前は「Line1」になります。
[プロパティ]ウィンドウで、[折れ線]を選択し、[Location]-[Left]に1.2cm、[Top]に0cmを設定します。また、[EndPoint]-[Horizontal](水平)に1.2cm、[Vertical](垂直)に0.8cmを設定します。他の[線]についてもドラッグ&ドロップして、表4のようにプロパティを設定します。
№ | 左 | 上 | 水平 | 垂直 | 備考 |
1 | 1.2cm | 0.0cm | 1.2cm | 0.8cm | 会員IDと姓の間 |
2 | 3.8cm | 0.0cm | 3.8cm | 0.8cm | 姓と名の間 |
3 | 6.4cm | 0.0cm | 6.4cm | 0.8cm | 名と〒の間 |
4 | 8.3cm | 0.0cm | 8.3cm | 0.8cm | 〒と住所の間 |
5 | 17.7cm | 0.0cm | 17.7cm | 0.8cm | 住所と電話の間 |
6 | 20.5cm | 0.0cm | 20.5cm | 0.8cm | 電話と備考の間 |
部品の配置が終わりましたので、「Tablix1」の[Height]に0.8cmを設定します。
これで「本文」部分の設定は完了です(図12)。繰り返しになりますが、「Tablix」の高さで行が繰り返されますので、「本文」の高さは指定する必要はありません。
(5)項目名の配置(ページヘッダー)
会員ID用の項目名として、[ツールボックス]ウィンドウの[レポートアイテム]から[テキストボックス]をページヘッダの部分にドラッグ&ドロップします。
[プロパティ]ウィンドウで、[Location]-[Left]と[Top]とに0cmを設定し、[Size]-[Width]に1.2cm、[Height]に0.8cmを設定します。
[Font]-[FontFamily]にMS Pゴシック、[FontSize]に10ptを指定します。
また、テキストボックスをダブルクリックし、内部にカーソルを表示させ、「会員ID」と入力します。他のテキストボックスも、表5のようにプロパティと入力値を設定します。なお、[FontFamily]はすべてMS Pゴシック、[FontSize]はすべて10ptにします。
№ | 左 | 上 | 幅 | 高さ | 入力値 |
1 | 0.0cm | 0.0cm | 1.2cm | 0.8cm | 会員ID |
2 | 1.2cm | 0.0cm | 2.6cm | 0.8cm | 姓 |
3 | 3.8cm | 0.0cm | 2.6cm | 0.8cm | 名 |
4 | 6.4cm | 0.0cm | 1.9cm | 0.8cm | 〒 |
5 | 8.3cm | 0.0cm | 9.4cm | 0.8cm | 住所 |
6 | 17.7cm | 0.0cm | 2.8cm | 0.8cm | 電話 |
7 | 20.5cm | 0.0cm | 7.2cm | 0.8cm | 備考 |
ヘッダーにも、罫線を描きましょう。まず外枠を描きます。[プロパティ]ウィンドウで、[ページヘッダー]を選択し、[BorderStyle]-[Default]をSolidにします。
項目名間の縦罫線は、「本文」のデータ間の縦罫線とまったく同じ設定(表3)で描けます。
部品の配置が終わりましたので、[ページヘッダー]の[Height]に0.8cmを設定します。
これでページヘッダーの設定は完了です(図13)。
(6)ページなどの設定(ページフッター)
ページフッターには、テキストボックスを使って「帳票名」や、[レポートデータ]ウィンドウの[組み込みフィールド]にある[ページ番号]、[総ページ数]、[実行時間]を適宜使って、見やすいレポートを作るとよいでしょう(図14)。
表6のように設定してみましょう。なお、[TextAlign]はすべて「Center」にします。
コントロール | 左 | 上 | 幅 | 高さ | 入力値(フォント) |
テキストボックス | 3.0cm | 0.1cm | 5.0cm | 0.6cm | 会員名簿(MS ゴシック) |
テキストボックス | 12.5cm | 0.1cm | 0.5cm | 0.6cm | P. |
ページ番号 | 13.0cm | 0.1cm | 0.5cm | 0.6cm | |
テキストボックス | 13.5cm | 0.1cm | 0.5cm | 0.6cm | / |
総ページ数 | 14.0cm | 0.1cm | 0.5cm | 0.6cm | |
実行時間 | 19.0cm | 0.1cm | 5.0cm | 0.6cm |
部品の配置が終わりましたので、[ページフッター]の[Height]に0.8cmを設定します。
これでページフッターの設定は完了です(図15)。
これで、レポート「Report1.rdlc」が完成しましたので、タブの[×]をクリックし、変更を保存して、レポートデザイナーを閉じてください。