日本マイクロソフト株式会社は12日、Windows Phone 7.5に関する説明会「マイクロソフトメディアエクスチェンジ」を品川本社オフィスにて開催した。
Windows Phone 7.5(コードネーム:Mango)は、KDDI株式会社より9月以降に販売予定の「IS12T」に初めて搭載される新しいOS。日本マイクロソフト株式会社(以下、マイクロソフト) コミュニケーションズ パートナー統括本部長の横井 伸好氏は「Windows Phone 7.5はすべてのコード、OSのデザインを見直して作られており、今の時代に求められるスマートフォンとして、すべてを1から考え直したまったく新しいもの」だと語った。
開発にあたりマイクロソフトが注力したのは、コミュニケーションを円滑に行うため、ツールではなく人を中心に置いた設計の実装、Windows Live/Facebook/TwitterなどのSNSや、無料ストレージSkyDriveなどのさまざまなクラウドとの親和性の向上、新UI「メトロ」採用やブラウザのパフォーマンス改善などによる軽快な動作の実現、開発者が簡単に開発しやすいエコシステムの提供、という4点だ。
また、日本市場にフォーカスして実装された機能として「カーブフリック」と「日本語予測入力」が、オフィス開発統括部 リードプログラムマネージャ吉田 剛厳氏より紹介された。カーブフリックとは、従来のフリック入力に加え、斜め方向に指をスライドさせることで文字に濁点・半濁点をつけることができる機能。通常のフリック入力よりも当たり判定を厳しくする必要があるため、社内で何度もチューニングのテストが繰り返された。日本語予測入力機能では、Office IME 2010を使用して集められた約3億語のデータを活用。これらの機能により、日本語のスムーズな入力が可能となった。
最後に、コミュニケーションズ パートナー統括本部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 中島 憲彦氏よりマイクロソフトが提供するマーケットについて説明された。マイクロソフトでは、エンドユーザーがアプリを購入する「Marketplace」およびアプリを提供する側である開発者のためのポータルサイト「App Hub」の双方に力を入れて行きたいと考えている。
例えば、Marketplaceで有償アプリのお試しモードを利用できるという点でも、開発者は、App Hubにて用意された「1つのバイナリで有償版とお試し版を作ることができるAPI」を使用できるため、バイナリを2つ作る必要はない。これは、MarketplaceとApp Hubを連携させた一例となっている。
現在、Marketplaceでは、グローバルで2万本を越えるアプリが公開されており、1日につき150本以上のアプリが増加している。横井氏は「Windows Phone 7.5も、PCと同じように、マルチキャリア、マルチデバイスをポリシーとしたい」と語った。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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