新しいフレームワークを囲み全員が参加する時代
今年はJavaにとって大きな節目となる年だ。前述したように今春にはJava EE 7のリリースが、年内にはJava SE 8のリリースが予定されている。これらに装備される注目の機能についても触れておこう。
寺田氏が主に紹介したのはJava EE 7に搭載されるWebSocket、およびJava SE 8に搭載されるJavaFX、Lambda式、Nashornである。
Java EE 7 の正式リリースは春になる予定だが、そこに搭載される多くの機能は、開発中のGlassFish v4のビルドで試すことができる。WebSocketもその一つで、寺田氏によると「Java EE 7の中で最も面白い部分」だという。
JavaFXについてはすでに述べたが、このリッチクライアント開発用の技術がJava SE 8では完全に統合された形で提供される。つまり、標準のJavaの実行環境の中にJavaFXが含まれることになる。
またLambda式が追加されることによって、無名クラスで記述していたタスクを簡潔に表すことができる。さらにパラレル処理もLambda式で記述することができるという。
Nashornとは、Javaの実行環境上でJavaScriptが動く仕組みである。パフォーマンスに優れ、Javaの実行環境の機能をフルに発揮できるという。
Java SE 8に含まれるこれらの機能も、Early Access版を使用することで利用可能になっている。寺田氏は「新しい技術に触れてほしい」というメッセージと同時に、「Javaの言語仕様について積極的に意見を出してほしい」と述べた。
さらに寺田氏は、関西で活動するある大学生が、Javaの仕様に対してどんどん意見を寄せており、米国のスペックリードらと議論を交わしているという事例を紹介した。こうした一人一人の開発者のアイデアや意見がJavaの世界を大きく変えていく一歩となる。
間もなくリリースされるJava EE 7およびJava SE 8の新機能に触れ、世界中の開発者たちとの議論に加わってみてはいかがだろう。それは自分自身にとってもJavaにとっても有意義なことだと言える。