少し未来のSPDYとHTTP2.0
まだ少し先の話になりますが、HTTP2.0についても紹介しておきたいと思います。
現在ほとんどのHTTP接続のバージョンは1.1であり、IETF(Internet Engineering Task Force)から仕様が提出されて10年以上が経過しています。
10年前と今では、Webアプリケーションの登場により扱う情報量が大きく変わったため、HTTP1.1では現在の状況に即さなくなってきています。HTTP1.1では現在のWebサイトやWebアプリケーションの通信を行うには、リクエスト・レスポンスに無駄な部分が多いのです。
これを解決しようと動いたのがGoogleです。
GoogleはSPDYというHTTPに変わる新しいプロトコルを開発し、HTTP2.0のドラフトとして採用されました。SPDYは以下のようなポイントによりレイテンシ(データを要求してから受け取るまでの遅延時間)を抑え、コンテンツの送受信に掛かる時間の短縮化を図っています。
- リクエスト・レスポンスの多重化
- 優先順の付与
- HTTPヘッダーの圧縮
ちなみにSPDYはサーバ側にmod_spdyをインストールし、Google Chromeであれば利用できます。筆者はまだ試せていませんが、この連載を書く中で試してみたいと思います。
HTTP2.0
HTTP2.0は、SPDYがベースとなるため、まったく同じではないが近いものになることは確実だそうです。
HTTP2.0では4つのことがポイントとなっています。
- HTTPをより良いものにする
- HTTP1.1と互換性を持たせる
- 拡張性を持たせる
- TLSが前提となる
蛇足ですが、GoogleはUDPの改良版、QUICというプロトコルも開発中らしいです。もう少し先の話になりそうですが、次世代のプロトコルには期待したいですね。
まとめ
第2回「Webサイト高速化に大きく関係するHTTPとは」はいかがでしたでしょうか?
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。もしかしたら退屈な内容だったかもしれませんね。ですが、知らなかった方にはきっと役に立つと思います。
今回のポイントをまとめると……
- HTTPの基本を理解しよう
- HTTPヘッダーを読めるようになろう
- 同時接続数には制限があるが高速化の重要なポイント
- HTTP2.0の普及までは現状の対策方法が必要
HTTP2.0は、きっとすばらしいものになってくれると思います。ですが、普及するまでにはまだまだ時間がかかります。今の段階では手間を最小限にしつつ、コツコツとパフォーマンスチューニングをしていきましょう。
次回から、自動化・半自動化も含めた高速化対策手法について紹介していきます。
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それでは第3回をお楽しみに。
本連載は下記記事の増補改訂版です。