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「Developers Summit 2013 Summer」レポート(AD)

【夏サミ2013】C1セッションレポート
4つの視点から読み解くDevOpsにおける改善活動のポイント

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 今ITの現場、開発と運用に求められているのは、“共存”ではなく“共生”だ。日本CAの西野寛史氏は、DevOpsとは、そうした“共生”に向けた進化に対する議論に他ならないとする。そしてこの議論をする上では、どちらかの視点だけに立脚するのではなく、全体を俯瞰することが重要になる。いままで開発的視点を中心に語られることの多かったDevOpsだが、本セッションでは日本CAが長年にわたり運用系ソフトウェア分野で蓄積してきたノウハウをもとに、ITライフサイクル全体を俯瞰した進化の姿であるDevOps@CAが紹介された。

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日本CA株式会社 LISA事業部 プリンシパル コンサルタント 西野 寛史氏
日本CA株式会社 LISA事業部 プリンシパル コンサルタント西野寛史氏

DevOpsの本質は、組織の壁を越えた改善活動である

 西野氏は2年前に日本CAに入社する以前、国内SIerで16年間、自治体向けなどのシステム開発の現場にいた。また運用にも興味がありITIL®を勉強し、現職は運用のコンサルタントだ。その西野氏がビジネスのためのITのゴールは何かと考えたとき、答えはやはり「ビジネス価値を向上させるIT」となる。このゴールは、開発マネジメントと運用マネジメント共通だが、達成に向けた考え方や行動には、相反する要素も多い。

 開発のマネジメントには、ビジネスのスピードに追従した開発と同時に、コスト抑制が求められている。それでいて品質は高くなければならない。開発の現場では、まずプロセス面ではデザインレビュー、インスペクション、ウォークスルーなどが関心事となる。テクノロジーはアプリケーションフレームワーク、開発言語、テストツールの選択などが気になる。

 一方、運用部門のマネージャーの関心事はやはり、安定稼働、信頼性、高可用性、高セキュリティだ。運用の現場が考えていることは、開発の現場とはまったく違う。プロセス面では、ベストプラクティスを集めたITILのようなものをできるだけ取り入れて、自分たちも改善していこうとしている。テクノロジー面ではインフラの自動化、仮想化、ワークフローツール導入などを考えている。西野氏は「開発と運用では、末端に行けば行くほど違うことを考えている」と指摘する。

 開発と運用で、異なる指向のマネジメントが現場に要求すると、それぞれが違った欲求を持つ。例えば開発は実用性を重視する。一方、運用は手続きに準拠する欲求がある。従来は、両者の欲求に違いがあっても、何とかなってきた。しかし今、ITには俊敏さへの要求が増える一方、投資は伸びていない。西野氏は「開発と運用の間にある壁をなくし、一丸となって進めるようにする。それがDevOpsムーブメントの原点」と語る。

 ではDevOpsの定義は何か。西野氏は、初めてこの言葉を聞いたとき、多くの人がやるようにネット上で検索した。ところが結果を見ると、それぞれ微妙に違う。そこで西野氏は「明確な定義はない」という結論に達したという。

 ただ、共通して使われている言葉があることも分かった。それらを拾い上げるとDevOpsは「開発と運用のコラボレーション、コミュニケーションを統合する方法」となる。

ITIL®は英国その他の国において英国のOffice of Government Commerceの登録商標です。

4つの視点でDevOpsを捉え、課題と解決策を考える

 さらに「DevOpsを実行する」と動詞をつけた場合、どうなるか。そこで西野氏が考えたのは「DevOpsというのは、いわゆる改善活動なのではないか」ということだ。従来の活動と違うのは、組織の壁を越えて行うことがポイントとなっている点だ。

 では改善活動と捉えるのであれば、何が重要なのか。西野氏はITILを参考に以下の3つのPを挙げる。

  • People(人・組織)
  • Process(プロセス)
  • Product(ツール)

 一般にDevOpsというと、ツールに関心が集まりがちだが、西野氏は「ツールは重要な要素だが、それだけに着目すべきではない。3つの要素をバランス良く考えていくべき」と語る。

DevOpsの取り組みで重要なもの
”DevOps”の取り組みで重要なもの

 次にDevOpsをプラン、開発、運用のサイクルで考えていくと、リリースされたアプリケーションが不具合を起こし、開発に戻される逆進現象が生じることがある。これを西野氏は“ネガティブ・フィードバック”と呼んでいる。その負の部分も含めて全体を見た上で、日本CAではDevOpsを4つの視点で捉えている。

  • Service Assurance:死活監視などの運用監視。
  • Application Delivery:アプリケーションの設計、製造、テスト、リリース
  • Service&Portfolio Management:情報共有
  • Secure:セキュリティ
日本CAの“DevOps”=4つの視点
日本CAの“DevOps”=4つの視点

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サービス仮想化により、テスト環境の制約を解消する

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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