さて、開催までの1年間、運営スタッフはさまざまな準備を行ってきました。この連載では、各スタッフがやってきたことを紹介することによって、自分たちの作業内容をまとめて振り返ってみたいと思います。また、みなさんにPyCon JPの裏側でどんなことをやっていたのかを知っていただくと共に、今後のスタッフや他のイベントの参考になればと思います。
この連載を読んでPyCon JPの運営スタッフに興味を持った人は、PyCon JP 2015 スタッフ申し込みフォームから応募してください。一緒に次のPyCon JPを作っていきましょう。
今年の運営は今までとは異なりチーム制を導入し、スタッフ全体を4つのチーム(事務局、プログラム、会場、メディア)で準備を進めました。この連載もそれに合わせて、チームごとに作業内容を紹介したいと思います。
それでは、第1回は座長挨拶と会場チームの作業内容について紹介します。
座長あいさつ
座長(Chair)の鈴木たかのりです。
PyCon JP 2014は545名(スタッフ含む)の方に来場していただきました。来場されたみなさんありがとうございます。大きな混乱もなくイベントを終えられたのも、ひとえに来場者のみなさんの協力によるものと思っています。スタッフ一同心より感謝しています。今年は「たくさんの人にパーティーに参加してほしい」という思いから、パーティー込みのチケット料金としました。そのため参加費自体は去年よりも上がりましたが、多数の方に参加していただき、パーティーも非常に盛り上がっていたようです(私は体調不良で残念ながら参加できませんでした……)。
残念ながら日程の都合がつかなかったり、チケットが売り切れたことにより来られなかった方はPyCon JP 2014公式サイトのレポートから写真やビデオ、発表資料などが参照できますので、そちらで楽しんでもらえればと思います。
PyCon JP 2014は9月12日(金)のチュートリアル、13日(土)・14日(日)のカンファレンス、15日(月・祝)の開発スプリントと4日間にわたって3つの会場で開催されました。チュートリアルは昨年から1つ増やして3コース実施し、52名に参加していただきました。
メインとなる13日、14日のカンファレンスでは、Kenneth Reitz氏、西尾 泰和氏の2名をキーノートに迎えました。また、トークセッションは3トラックが平行していましたが、常に1つは英語の発表があるようにしました。多くの海外から(今年はなんとブラジルからも!!)のスピーカーや参加者にも参加していただき、PyCon JPは日本で開催する国際カンファレンスとして認知されてきたなーと実感しています。他にも初めての試みとしてポスターセッションを実施したり、ジョブフェアを開催しました。どちらも盛り上がり、詳細についてはこの連載で担当スタッフから裏側を紹介してもらえると思います。
最終日15日は開発スプリントとして、50名ほどの参加者がチームや個人で自由に開発を行い、最後に成果発表を行いました。
今年も多くのスポンサーに本イベントをサポートしていただき、会場費用、同時通訳の提供、動画配信、ランチやコーヒーブレイクの充実を図ることができました。企業ブースは例年以上に盛り上がっていたと感じています。ご協力いただいたスポンサー各社に本当に感謝しております。パトロンスポンサーには40名を超える個人、スタートアップ企業から支援をしていただき、学生チケット(50名)や遠方参加者の支援に使うことができました。ありがとうございます。
PyCon JP 2014スタッフ体制について
私は増田さん(PyCon mini JP 座長)と寺田さん(PyCon JP 2011~PyCon APAC 2013 座長)のバトンを受けとって、PyCon JP 2014で初めて座長として活動してきました。今年は体制や作業の進め方などを今までとは少し違う形にしてみました。
ここで少し、今年の運営スタッフ体制について、説明してみたいと思います。
チーム制の導入
「はじめに」でも書いてありますが、いままでの全員フラットでスタッフ各メンバーがそれぞれ担当を持つという形式から、事務局、プログラム、会場、メディアの4つのチームに分かれるチーム制としました。各チームは神谷(事務局)、清田(プログラム)、北原(会場)、イアン(メディア)の各チームリーダーを中心に作業を進めていきました。
チーム制の目的としては、意思決定をチームにまかせることによって、判断のスピードを上げたいということがありました。チーム制にしたことでチーム内でお互いフォローし合う感じが出たのはよかったのですが、チームを越えて全体を把握している人が少なかったのが次回への反省と感じました。
ツールの変更
コミュニケーションの中心となるツールをSlack(チャット)とJIRA(課題管理)に変更しました。ツールなので一長一短はありますが、個人的には概ね満足しています。
PyCon JPで使用しているツール、サービスについてはPyCon JP 2014のライトニングトークでも発表しました。
作業日の実施
基本的に作業は JIRA の課題(チケット)ベースで進めるのですが、オンラインだけだとなかなか進みが悪いときもあると思います。そこで、月に一回程度みんなで集まって課題を進める作業日を実施するようにしました。
PyCon JPのconnpassに作業日のイベントを作成し、スタッフが集まって作業を進めました。だいたい7時くらいから開始し、8時半くらいにはピザを食べながらワイワイと作業をしていました。
作業日を実施するかわりに全体でのミーティングの回数を減らしました。スタッフの人数も増えたので、全体ミーティングの実施が困難になったという側面もあります。
当日スタッフの廃止
いままでは受付などで当日スタッフに手伝ってもらっていましたが、今年は募集しませんでした。当日スタッフは人手として助かる反面、その日だけの参加のため顔と名前が一致せず、こちらが把握しきれないというデメリットがあります。今年はスタッフが40名と多かったこともあり、当日スタッフなしで乗り切ることができました。
国際的なチーム
別に狙っていたわけではありませんが、2014のスタッフはいままでにない国際的なチームとなりました。以前からメンバーのイアンさん(アメリカ)、一般社団法人のイクバルさん(マレーシア)に加えて、Gigiさん(台湾)、Su-shiさん(台湾)、Lang Liuさん(中国)が今年スタッフとして加わりました。作業日で集まった時に一部で英語での議論が始まったりすることもあり、不思議な体験でした。
最後に
今年初めてこの大きなイベントの座長として、スタッフ全員と準備を進めてきました。表に名前が出てくるメンバーは少ないですが、一人一人が自分の役割をときには越えて作り上げることによって、PyCon JP 2014がスムーズに運営できたと思っています。この場を借りてスタッフの皆さんに感謝の言葉を述べたいと思います。「お疲れ様でした。私が体調不良でいなくなっても滞りなくイベントが運営できたのはみなさんのおかげです。さすがです」