スタートアップ企業が乗り越えるべき成長のジレンマ
前回、『いまさら聞けないクラウドのアレコレ(2)~スタートアップ企業のジレンマ~』として、インスタンス数1,000を超えたあたりから、利用か保有かの選択肢が出てくるという視点を情報共有しました。この部分を彼らは「グレーゾーン」と表記しており、筆者はここを「成長のジレンマ」と考えています(図1)。
再び同じ言葉の引用ですが、コンピューティング資源を「利用する」か「保有する」かその選択は、どのようスタートアップ企業であれ成長が持続する間は必ず迎えるターニングポイントの一つです。
プライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化、データセンターの利用とスタートアップ企業は、確実にどこかで成長のジレンマと選択を迫られることになります(図2)。
では、つぎにそんなNefilix社が、どのようにして成長のジレンマを乗り越えてきたのか、システム基盤の変遷から見ていきましょう(図3)。
Netfilix社のサービス向けシステム基盤は当初、外部CDN利用とデータセンター利用による完全な保有モデルであった時期があります。それがある転換点からCDN自社開発とAmazon Web Services利用という利用モデルになっていったのです。サービス向けシステム基盤は、いわばスタートアップ企業の屋台骨を支える重要項目です。それをどのように継続的に拡張し運用していくか、やはり悩ましい問題であることに洋の東西は関係ありません。
では、Netfilix社はなぜ、このようなサービス向けシステム基盤という重要項目に対して、利用モデルという選択に至ったのか、次に見ていきましょう。