音声ファイルを再生する - ngAudio
ngAudioを利用することで、音声ファイルをディレクティブの記述だけで再生できます。また、サービスを利用することで、ちょっとした再生プレイヤーを実装することも可能です。
ngAudioは、Bowerを利用することで、以下のコマンドでインストールできます。
> bower install --save angular-audio
ではまずは、音声ファイルをそのまま再生する、基本的な例を見てみます。
<!DOCTYPE html> <html ng-app="myApp"> <head> <meta charset="UTF-8" /> <title>AngularJS</title> <script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script> <!-- (1)ライブラリをインポート --> <script src="bower_components/angular-audio/app/angular.audio.js"></script> <script src="scripts/audio.js"></script> </head> <body ng-controller="MyController"> <button ng-audio="sound/chime.mp3" volume="0.5" start="0.3">再生</button> </body> </html>
// (2)ngAudioモジュールへの依存関係を設定 angular.module('myApp', ['ngAudio']) .controller('MyController', ['$scope', function($scope) { }]);
ngAudioを利用するには、ライブラリ本体(angular.audio.js)をインポートした上で(1)、アプリモジュール(myApp)からはngAudioモジュールへの依存関係を宣言します(2)。
あとは、<button>などの要素に対してng-audio属性(ディレクティブ)を付与するだけで、ボタンクリックで音声を再生できるようになります。ng-audioディレクティブで利用できる主な属性は、以下の通りです。
属性 | 概要 |
---|---|
ng-audio | 音声ファイルのパス |
loop | ループ回数(trueで無限) |
volume | 音量(0~1) |
start | 再生開始位置(0~1) |
再生プレイヤーを実装する
ngAudioサービスを利用することで、本節冒頭のような再生プレイヤーを実装することもできます。
<!DOCTYPE html> <html ng-app="myApp"> <head> <meta charset="UTF-8" /> <title>AngularJS</title> <script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script> <script src="bower_components/angular-audio/app/angular.audio.js"></script> <script src="scripts/player.js"></script> </head> <body ng-controller="MyController"> <div> <!-- (2)音声ファイルの操作--> <button ng-click="audio.paused ? audio.play() : audio.pause()"> {{audio.paused ? '再生' : '一時停止'}}</button> <button ng-click="audio.stop()">停止</button> <!-- (3)音量の操作--> <input id="volume" type="range" min="0" max="1" step="0.1" ng-model="audio.volume" /><br /> {{audio.currentTime}} sec </div> </body> </html>
// ngAudioモジュールへの依存関係を設定 angular.module('myApp', ['ngAudio']) .controller('MyController', ['$scope', 'ngAudio', function($scope, ngAudio) { // (1)音声ファイルをロード $scope.audio = ngAudio.load('sound/chime.mp3'); }]);
音声ファイルをロードするのは、ngAudioサービスのloadメソッドです(1)。loadメソッドは、戻り値として、音声ファイルを操作するためのngAudioObjectオブジェクトを返しますので、あとは、このメソッドをclickイベントリスナーに紐づけるだけです(2)。ngAudioObjectオブジェクトの主なメンバーは、以下です。
メンバー | 概要 |
---|---|
play() | 再生 |
pause() | 一時停止 |
stop() | 停止 |
currentTime | 現在の再生位置(秒) |
volume | ボリューム(0~1) |
paused | 一時停止中であるか |
volumeプロパティなどは、(3)のようにスライダー(<input type="range">要素)に紐づけることで、スライド操作に連動してボリュームを変更できます。
まとめ
以上、本稿では画像/音声ファイルを扱うためのウィジェットについて紹介しました。次回は、小粒ながら、アプリ開発には欠かせないイベントリスナーの設置を補助するUI Eventはじめ、入力値検証を実装するUI Validate、そして、Web Storageにデータを出し入れるngStorageなどについて紹介します。
参考資料
- 『AngularJSアプリケーションプログラミング」(技術評論社)
- 『AngularJSライブラリ 活用レシピ 厳選 108』(WINGSプロジェクト)