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AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール

画像/音声ファイルを操作するAngularJSライブラリ ~ カルーセル/フルスクリーンモード/再生プレイヤー

AngularJSアプリ開発を支援する便利モジュール(9)

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音声ファイルを再生する - ngAudio

 ngAudioを利用することで、音声ファイルをディレクティブの記述だけで再生できます。また、サービスを利用することで、ちょっとした再生プレイヤーを実装することも可能です。

ngAudioで生成した再生プレイヤー
ngAudioで生成した再生プレイヤー

 ngAudioは、Bowerを利用することで、以下のコマンドでインストールできます。

> bower install --save angular-audio

 ではまずは、音声ファイルをそのまま再生する、基本的な例を見てみます。

リスト5 audio.html
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS</title>
<script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script>
<!-- (1)ライブラリをインポート -->
<script src="bower_components/angular-audio/app/angular.audio.js"></script>
<script src="scripts/audio.js"></script>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<button ng-audio="sound/chime.mp3" volume="0.5" start="0.3">再生</button>
</body>
</html>
リスト6 audio.js
// (2)ngAudioモジュールへの依存関係を設定
angular.module('myApp', ['ngAudio'])
  .controller('MyController', ['$scope', function($scope) {
  }]);

 ngAudioを利用するには、ライブラリ本体(angular.audio.js)をインポートした上で(1)、アプリモジュール(myApp)からはngAudioモジュールへの依存関係を宣言します(2)。

 あとは、<button>などの要素に対してng-audio属性(ディレクティブ)を付与するだけで、ボタンクリックで音声を再生できるようになります。ng-audioディレクティブで利用できる主な属性は、以下の通りです。

ng-audioディレクティブの主な属性
属性 概要
ng-audio 音声ファイルのパス
loop ループ回数(trueで無限)
volume 音量(0~1)
start 再生開始位置(0~1)

再生プレイヤーを実装する

 ngAudioサービスを利用することで、本節冒頭のような再生プレイヤーを実装することもできます。

リスト7 player.html
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS</title>
<script src="bower_components/angular/angular.min.js"></script>
<script src="bower_components/angular-audio/app/angular.audio.js"></script>
<script src="scripts/player.js"></script>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<div>
  <!-- (2)音声ファイルの操作-->
  <button ng-click="audio.paused ? audio.play() : audio.pause()">
    {{audio.paused ? '再生' : '一時停止'}}</button>
  <button ng-click="audio.stop()">停止</button>
  <!-- (3)音量の操作-->
  <input id="volume" type="range"
    min="0" max="1" step="0.1" ng-model="audio.volume" /><br />
  {{audio.currentTime}} sec
</div>
</body>
</html>
リスト8 player.js
// ngAudioモジュールへの依存関係を設定
angular.module('myApp', ['ngAudio'])
  .controller('MyController', ['$scope', 'ngAudio', function($scope, ngAudio) {
    // (1)音声ファイルをロード
    $scope.audio = ngAudio.load('sound/chime.mp3');
  }]);

 音声ファイルをロードするのは、ngAudioサービスのloadメソッドです(1)。loadメソッドは、戻り値として、音声ファイルを操作するためのngAudioObjectオブジェクトを返しますので、あとは、このメソッドをclickイベントリスナーに紐づけるだけです(2)。ngAudioObjectオブジェクトの主なメンバーは、以下です。

ngAudioObjectオブジェクトの主なメンバー
メンバー 概要
play() 再生
pause() 一時停止
stop() 停止
currentTime 現在の再生位置(秒)
volume ボリューム(0~1)
paused 一時停止中であるか

 volumeプロパティなどは、(3)のようにスライダー(<input type="range">要素)に紐づけることで、スライド操作に連動してボリュームを変更できます。

まとめ

 以上、本稿では画像/音声ファイルを扱うためのウィジェットについて紹介しました。次回は、小粒ながら、アプリ開発には欠かせないイベントリスナーの設置を補助するUI Eventはじめ、入力値検証を実装するUI Validate、そして、Web Storageにデータを出し入れるngStorageなどについて紹介します。

参考資料

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト(ウイングスプロジェクト)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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