今回と次回の2回に分けてはAndroid Studioを使ったアプリ開発環境を作ります。Android Studio本体のインストールから、AVD(エミュレータ)を使ってのHelloAndroidアプリ作成まで解説します。
本連載の書籍化について(2018年5月追記)
本連載は、加筆・再構成およびAndroid Studio 3対応を行い、書籍化しています。最新情報については、こちらもぜひ併せてご参照ください。
対象読者
- Androidアプリ開発未経験な方
- Java言語は一通り習得済みである方
必要な環境
今回インストールするAndroid Studioが動作するするには、Java Development Kit(JDK) 7がインストールされている必要があります。また、環境変数JAVA_HOMEが設定されている必要があります。
その他の動作環境に関しては、公式ページを参照してください。
Android開発について
以前は、Androidアプリを開発するにはEclipseにADT(Android Development Tools)プラグインをインストールして使っていました。ところが、Eclipseに代わるAndroid開発環境として、Googleが以前より開発していたAndroid Studioの正式版(バージョン1.0.0)が、2014年12月8日に発表されました。さらに、2015年末でADTのサポートを終了させています。
つまり、2016年より名実ともにAndroid開発はAndroid Studioで行うことになりました。そのAndroid Studioの安定版最新バージョンは、原稿執筆時点では1.5.1です。一方、次期メジャーバージョンである2.0のプレビュー版が2015年11月23日に発表されました。本連載では、正式版に先駆けて一足先にAndroid Studio 2.0プレビュー版を使っていきます。
Android Studio 2.0の新機能
Android Studio 2.0でGoogleが目指したところはスピードアップです。具体的な新機能として以下が紹介されています。
ビルドのスピードアップ
アプリをフルビルドした場合、これまでより2倍から2.5倍速くなります。
Instant Run
これまでのAndroid Studioでは、ソースコードを改変して動作確認をしたい場合、デプロイ(エミュレータや実機へのインストール、アプリの実行)に時間がかかっていました。この時間を2、3秒に短縮する機能がInstant Runです。
AVDの進化
Googleがこれまで提供してきたAVDはかなり遅いものでした。これが、パソコンのハードウェアが最新ならばどんな実機よりも速いものになります。また、AVDのインターフェースも改良されます。さらに、カメラやGPSなど、実機ならではの機能もAVDでできるようになります。
GPUプロファイラ
ゲームやグラフィックスの多いアプリ向けの機能で、画面に新しい画像や映像を描くときのパフォーマンスを調べることができます。
[Note]AVD
Androidアプリ開発では、そのアプリを最終的にはAndroid端末(実機)で確認する必要がありますが、ある程度のことはパソコン上にAndroid端末を模したエミュレータで確認できます。このエミュレータをAVD(Android Virtual Device)といいます。
Android Studioのインストール
それでは、Android Studioをインストールしていきましょう。
Android Studioのダウンロードと起動
Android Tools Project SiteのLatest Android Studio Canary Buildのページを表示します。これは、左ナビから「Download > Android Studio Downloads > Canary > Latest Build」と進んでもこのページにたどりつけます。
原稿執筆時点ではPreview 6が最新です。
それぞれのOSにあわせてリンクをクリックして、ZIPファイルをダウンロードします。ここでは、Windows版で解説していきますが、Mac版についても要所要所で解説を挟んでいきます。
ダウンロードしたZIPファイルを解凍します。android-studioフォルダが作成されるので、それを任意の場所に配置します。
なお、安定版のAndroid Studio(バージョン1.5など)が既に存在する場合は、Updateの設定をCanary Channelにすることで2.0にアップデートできます。ただ、あくまでプレビュー版で不安定ですので、安定版とプレビュー版は同居させたほうがいいでしょう。
配置したandroid-studioフォルダを開き、binフォルダ中のstudio.exeがAndroid Studio本体です。こちらをダブルクリックしてAndroid Studioを起動します。OSが64ビットの場合はstudio64.exeをダブルクリックします。