Alexaを成長させるための2つの仕組み
Alexaは自然言語の理解や機械学習など、音声認識に関するすべてのスキルはクラウドの中にあるため、毎日学んで賢くなる。そしてそれらの新しい機能やアップデートされた情報は、搭載されているデバイスに自動的にプッシュされる。機能が追加されても何かをインストールする必要はない。そして、Alexaには「無限の可能性がある」とJotwani氏は力強く語る。「私たちだけでAlexaのアプリを開発できるわけではない。そこでAmazonでは真のエコシステムとなる仕組みを提供している」とJotwani氏は続ける。
Alexaのエコシステムを構成する要素となるのが2種類のSDKだ。一つが「Alexa Skills Kit(ASK)」。これはAlexaが利用できるコンテンツ(スキル)を簡単に構築するための環境を提供する。Alexaは導入当初は13個の機能しかなかったが、開発プラットフォームを公開したところ、「すでに1000以上の機能がAlexaで実行できるようになっている」と誇らしげに語る。
もう一つが、「Alexa Voice Service(AVS)」。これはサードパーティのデバイスメーカーやアプリケーション開発者が、Alexaを自社製品に追加できるサービスだ。AVSはASR、NLU、TTS、Skills、Learningというコンポーネントで構成されている。ASRは自動音声認識で、NLUでユーザーが発した言葉の意図を判断する。またTTS(Text to Speech)は、テキストをスピーチに変換し、デバイスで再生できるようにするためのコンポーネントである。つまり下記のスライドのような仕組みで、Alexaが組み込まれたデバイスと会話できるようになるというわけだ。
このようなエコシステムが構築されたことで、AlexaはEcho以外にもさまざまなデバイスで採用されている。Triby(キッチンスピーカーシステム)やCoWatch(スマートウォッチ)、Raspberry Piはその一例だ。「Raspberry Piのプロジェクトについては、GitHubで公開しているので、見てほしい」とJotwani氏は語る。
またデバイスだけではない。アプリケーションの活用事例も登場している。RogerというiOSおよびAndroidの向けのアプリやLexi(iOS向けアプリ)はその一例だ。
音声の未来を一緒に創っていきたい
Alexaの特徴は、先述したように機能拡張できること。それを可能にしているのがASKである。ASKは次の2つの要素を持つ。コンフィグレーションデータ(フロントエンド)とホステッドサービス(バックエンド)だ。前者でユーザーが言うだろうと思われるフレーズを入力する。後者でそのリクエストを処理して適切にレスポンスを返す。またAlexaはAWS Lambdaと密接に統合されているため、サーバを管理する必要も無い。もちろんデバイスにプッシュする必要もない。「コードをクラウドのどこかに入れて、トリガーを取得するだけ。スキルは数時間で作成できる」とJotwani氏は語り、実際、Amazonの開発者ポータルにアクセスするところから、いかに簡単にスキルが作成できるかデモで披露した。ちなみに音声のインタラクションの設計におけるコツは、「なるべく多くのユースケースを入れることだ」そうだ。
インターネットにおける第三の波として注目されているIoT。今後、次のような世界が実現しているとJotwani氏は語る。例えば2017年にはコネクテッドホームのインストール数は4500万個、ウェアラブル市場は年間200億ドル、さらに2020年には6000万台以上の車がインターネットに接続されると予測されている。このような世界において、「音声はかなり重要性が増すと考えている」とJotwani氏。「ぜひAlexa Voice Serviceで皆さんのデバイスやアプリでAlexaを利用可能に、そしてサーバレスなスキルをASKで作成してほしい。未来はみなさんと一緒に作っていくものです。私たちは音声の未来をみなさんと一緒につくりたいと思っている」こう最後に語り、基調講演を締めた。
