次代のユーザーインタフェースは音声が担う
「タッチの時代は過去のモノとなるかもしれない」──。Jotwani氏はこう語り、基調講演をスタートさせた。今から10年前を振り返ると、キーボードとマウスが一般的なユーザーインタフェースだった。しかしタッチスクリーンやモバイルデバイスが登場したことで、コンピュータデバイスの制御方法は革命的に変化した。しかし、これらの方法で例えば「照明のスイッチをつける」などのスマートホームの制御ができるか、というとうまくできない。これは「UXが悪い」、そして「次世代のユーザーインタフェースとして自然で最もふさわしいのが音声」とJotwani氏は力強く語る。もちろん、Amazonではそれを見越して、音声操作のための技術の開発を行っている。それが「Alexa(アレクサ)」だ。
すでにAlexaに対応したデバイスも発売されている。Alexaファミリーの第一弾としてリリースされたのがEchoだ。Echoは現在、Amazonでも大人気を博しているハンズフリーの音声認識エンジン内蔵スピーカー。「Echoは部屋を超えて聞く能力があり、曖昧な言葉を聞きとることができる」とJotwani氏は説明を続ける。使い方も簡単で、「Alexa(アレクサ)」と呼びかけると、音楽を流したり、天気を教えてくれたりする。そのほかにEcho DotとTapがある。Echo Dotは「Echoのミニバージョンで、Echoと同じ音声認識エンジンが搭載されている」とJotwani氏。一方のTapはWi-Fi対応のポータブルスピーカーシステムで、プッシュトークが実装されている。つまりEchoとは異なり、マイクのボタンをオンにすることで音声認識が開始される。Alexaは5月に、AmazonのHDMI端子対応テレビに接続するだけで動画ストリーミングサービスが楽しめるFire TVにも対応したという。「もし第二世代のFire TVを持っているのであれば、リモートでマイクボタンを押すことでTAPと同じ機能を使える」とJotwani氏は語る。