レポートの仕組み
それではレポート表示の説明に戻ります。
データ収集により以下のデータがGoogleアナリティクスに送信されたとします。
| クライアントID | 日付 | 時間 | ヒットタイプ | ページ | イベントカテゴリ | イベントアクション | ユーザーエージェント |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 123 | 2016/08/01 | 12:00:00 | ページビュー | /page1.html | - | - | Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/52.0.2743.116 Safari/537.36 |
| 123 | 2016/08/01 | 12:01:00 | イベント | /page1.html | ボタン | クリック | Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/52.0.2743.116 Safari/537.36 |
このデータを、Googleアナリティクスはレポートに表示しやすい形に加工します。
Googleアナリティクスに「ユーザーエージェント」というディメンションはありません。代わりに「ブラウザ」や「オペレーティングシステム」といったディメンションがあります。これらのディメンションはユーザーエージェントの値を元にGoogleアナリティクスのサーバー側で値を決定します。
また、Googleアナリティクスにはフィルタという機能があり、特定のページの情報だけ表示するなどといった加工が可能です。それらの設定に基づいた加工もこのタイミングで施されます。
加工後、このような形になります。
注意
説明のためにわかりやすく表示したものであり、実際のデータ構造とは異なります。
{
"クライアントID": "123",
"日付": "2016/08/01",
"セッション開始時刻": "12:00:00",
"トータル": {
"ヒット数": 2,
"ページビュー数": 1
},
"デバイス": {
"ブラウザ": "Chrome",
"オペレーティングシステム": "Windows"
},
"ヒット": [{
"ヒット時間(ミリ秒)": 0,
"ヒットタイプ": "ページビュー",
"ページ": "/page1.html"
}, {
"ヒット時間(ミリ秒)": 1000,
"ヒットタイプ": "イベント",
"ページ": "/page1.html",
"イベント情報": {
"イベントカテゴリ": "ボタン",
"イベントアクション": "クリック"
}
}]
}
この加工後のデータがGoogleアナリティクスのローデータと呼ばれるものです。有料版であるGoogleアナリティクス360を利用すると、このローデータを入手することができます。
レポート画面に表示される情報は、ローデータをさらに加工したものです。ローデータの形式では何のページが合計何ページビューあったかなどの計算に時間がかかってしまいます。レポート表示に時間がかからないよう、予備集計されたデータ表が作成され、それがレポート画面に表示されるデータの元となっています(参考:サンプリングの仕組み)。
このようにGoogleアナリティクスのレポート画面は、設定と処理が関連し合い加工を施すことで完成しています。
Googleアナリティクスのレポートがリアルタイムレポートを除き反映に表示に時間がかかるのはこれらの処理を行っているからです。
最後に
今回ご紹介したCookieの仕組み、クライアントIDの仕組みはぜひGoogleアナリティクスを利用する開発者の方に理解していただきたい部分です。 というのも「新規ユーザーが多すぎる」「直帰率が高すぎる」「セッションが途中で切れてしまう」などの異常は、多くの場合CookieやクライアントIDが次のページに引き継げていないことが原因になっているからです。例えばCookieを消したりしていないかどうかなど、注意しながらウェブサイトを運用するようにしましょう。
