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IDCフロンティアが取り組む、社内コミュニケーション活性化のための工夫
IDCフロンティアでは社内コミュニケーションの活性化のため、さまざまな手法を用いている。
まず、各種ツールの活用が挙げられる。例えば、ビジネス用チャットツール「Slack」をプロジェクト内や部門内、勤怠などの連絡に利用。雑談用チャンネルも用意されており、業務以外でも気楽にコミュニケーションをとることが可能だ。チャンネルは、プロジェクト用なら「pj-*」というように名前の先頭から用途が明確にわかる仕組みになっているため、間違えることなく安心して投稿できる。また、投稿へのリアクションにはテキストだけでなくアイコンを使用でき、その種類も充実しているため、投稿に対し素早く反応が得られてコミュニケーションの楽しさを増幅させている。
エンジニア向けにはコード管理ツール「GitHub」や情報共有ツール「Qiita:Team」など、トレンドのツールを積極的に活用している。
その一方で、対面でのコミュニケーションも重要視している。
業務では「ワールド・カフェ」と呼ばれるディスカッション方式を取り入れている。4~5人単位の少人数で、お茶やお菓子とともにリラックスした雰囲気で1時間程度議論を行う。無理に結論を出すのではなく、お互いに意見を出し合い尊重して相互理解を深めることが目的だ。その積み重ねによって課題解決の手法が見つかることが期待される。
さらに、部門間の交流を深めるための部活制度が存在する。フットサルや野球といったスポーツ系など、公式の部活は8つ。業務から離れたところで社内の人脈を広げるための取り組みだ。また、転職者が多いことから、前職との文化の違いで困っていることなどを転職者が集まって話し合う「転職組座談会」や、入社時期が近い人が集まって飲みに行く「同時期入社会」なども開催している。
そのほか、生江氏が所属する部門では、月に一度の定例ミーティングでレクリエーションの時間を設けている。7月には新入社員の配属や別部署からの異動があり、顔と名前を覚えるため、4~5人のチームに分かれて「パスタとマシュマロを使って一番高いタワーを建てる」というゲームの対抗戦を行った。これには、業務に関係のないグループワークをチームで行うこと(=チームビルディング)で、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作る狙いがある。
「心理的安全」の高さが円滑なコミュニケーションを生む
コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作るためには「心理的安全」を高めることが大切だ。「発言に対して非難される」「低く評価される」などのリスクがあっては、自ら進んでコミュニケーションをとることはできない。心理的安全とは気兼ねなく素直に自分の考えを表現できる状態を表す。これが確保されていることによって、ためらうことなく発言できる雰囲気が作られる。
そして、組織の中では上長が心理的安全を感じやすく、立場が下になると感じにくい傾向にあるため、リーダーが心理的安全があるチームだと感じていても、実はそう思わないメンバーもいる可能性がある。
失敗を受け入れる風土や制度を作ることは、心理的安全を高めることにつながる。ミスをした際に「報告すると怒られるかもしれない」と考えるようになると、さらに大変なことが起こりかねない。その回避のためには、失敗を受け入れてチームで解決していこうとする文化が必要となる。また、互いの個性を理解して尊重することも重要だ。グループワークでチームビルディングを行う活動は、仕事以外で互いを知って理解し、心理的安全を高めるために有効な手法といえる。
理由を正しく見極めて周囲の利益を考え、笑顔で焦らずに改善活動へつなげる
生江氏はIDCフロンティアに入社後、5名で構成されるチームに配属され、社歴は浅いが年齢は上という立場となった。そこでエンジニアとして与えられたタスクを実施するだけでなく、プラスアルファを目指そうと改善活動を始めたのである。
生江氏のアドバンテージは新鮮な視点を持っていること。どの企業でもエンジニアの業務そのものは大きく変わらないが、仕事の進め方などは異なる点が多い。入社したばかりの生江氏であれば、既存の手法を別の角度から見ることができる。
もう1つのアドバンテージは、新しいノウハウを持っていることだ。同社にはインフラを中心に手がけるエンジニアが多く在籍しており、フロンドエンドエンジニアの人数が少ない。そのため、生江氏がこれまで培ってきたノウハウは社内において強みとなる。
こうした強みを活かして改善活動を行う際、生江氏は「コミュニケーション面で注意していることがある」という。それが仏教用語の「不邪見(ふじゃけん)」「自利利他(じりりた)」「和顔施(わがんせ)」の3つである。
不邪見は「誤った見方をしてはいけない」という意味だ。仕事を進める中で出た疑問点を解決することは業務の改善につながる。ここで重要なのは「なぜこうなってしまったのか?」という理由を自分だけのフィルターを通して考えるのではなく、ソースコードの確認や周囲へのヒアリングなどを行ったうえで客観的に見極めること。さらに過去を否定しないということ。過去の決定事項を否定してしまうと、そこでコミュニケーションが止まってしまいかねない。目的はあくまでも現状を理解し、未来に向けて改善していくことなのだ。
自利利他は「周囲の利益がいつか巡り巡って自分の利益にもなる」ことだ。改善活動中に課題に気がついた際は指摘するだけでなく、解決方法をチーム内で共有する。そのほうがチームにとって利益になる。生江氏は先述した2つのアドバンテージを活かし、自分のノウハウをQiita:Teamに投稿する活動を行っている。
和顔施は「優しい気持ちで、笑顔で周囲の人と接する」ことを表す。改善活動は個人ではなくチームで取り組むことだ。チーム内のコミュニケーションが円滑であれば、より良い改善活動が実現して課題解決のスピードも上がる。そのためには周囲に笑顔で接し、焦らずに順番に一歩ずつ進みながら周囲と信頼関係を構築しながら活動を広げていく必要がある。
改善活動の具体例として、生江氏は「コードフォーマット問題」を挙げた。あるコードを開くと、インデントのスペース数がそろっていなかった。別のコードを調べたり、周囲にヒアリングを行ったりした結果、スケジュールの厳しかったプロジェクト初期に少人数で開発したコードに原因があることが発覚。さらにIDEをインストールしているにもかかわらず、テキストエディタを使っているなどの問題もあった。
これらを解決するため、チーム内のツール活用方法を調査し、IDEでインデントを設定する方法やGitHubでスペースの変更も差分として表示する方法を共有。ただしすべてのコードを一気に修正するとコンフリクトや不具合の発生が懸念されるため、改修の対象とするコードは限定した。「和顔施の気持ちで焦らずコツコツと進め、コミュニケーションをとりながらチーム内でより良い信頼関係を築くことで改善活動が実現した」と、生江氏は振り返る。
最後に生江氏は「心理的安全を高めるためにコミュニケーションをとりやすい雰囲気を作ることが大切だが、同時に『安全』が『安心』に変わってしまうと気の緩みにつながる。一定の緊張感は必要だ」と補足。「発言しやすい空間を作るとともに、積極的に気づいたことを発言することで、その人自身もチームも成長できる」とまとめ、セッションを終えた。
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