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UXが刷新され、アジャイル開発でも活用しやすくなった次世代の課題管理ツール「Jira Software Cloud」

エクスペリエンスが刷新された課題管理ツール「Jira」の最新動向 第1回

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2018/12/28 11:00

 本連載では3回にわたって、課題管理ツールの「Jira(ジラ)」について基本的な使い方から最新情報までを、Atlassianユーザーグループのリーダーである梶原と高橋が紹介していきます。第1回目の今回は、ここ数年大きく変化したJiraの製品体系を高橋が整理すると共に、最近発表されたまったく新しい体験ができる最新の「Jira Software Cloud」について梶原が紹介します。

目次

Jiraの概要と今

Jiraとは

 そもそもJiraとは、というところから始めましょう。「Jira(ジラ)」は2002年にオーストラリアのAtlassian(アトラシアン)社が開発したチケット管理システムです。

 Webベースで1つのタスクをチケットとして登録し進行状況、やりとりを管理するものです。Jira以外にはBugzillaやRedmineなどがあります。その中でも「Jira」はアジャイル開発において、世界中でもっとも利用されているチケット管理システムの一つです(注1)。カスタマイズ性が非常に優れており、強力な検索機能を持っていることが特徴です。

 さまざまな拡張機能を使えば検索結果をカンバンやガントチャートで表示するなど、アウトプットする方法が豊富なことも広く使われている理由の一つと言えるでしょう。

 さらに各種システムとの連携に優れ、他のAtlassian製品であるConfluence(コンフルエンス)、Bitbucket(ビットバケット)はもちろんのこと、今年戦略的パートナシップを結んだSlackやGitHubなど多くのツールと連携し、Jiraがさまざまなツールの情報連携役として機能することもできます。

注1:参考情報

Jiraの製品体系

強力なアドオンの登場、そしてJiraファミリーの誕生

 現在はJira Software、Jira Service Deskなどに製品が分かれているものの、元々はJiraという一つの製品に対しJira AgileやJira Service Deskといったアドオンをインストールして利用する仕組みでした。2015年にそれらアドオンが製品に組み込まれ、Jira Core、Jira Software、Jira Service Deskの3製品となりJiraファミリーが誕生しました。

 Jiraファミリーについて注意したいのが、それらは独立して使用しないといけないとうことはなく、同居して利用できるということです。また、Jira Software、Jira Service DeskはJira Coreの機能も含んでいます。

Jiraファミリーの種類と特徴
製品名 特徴
Jira Core シンプルなタスク管理に使用するJira。
Jira Software Jira Coreにカンバンなどのスクラム開発に適した機能を搭載。ソフトウェア開発をJiraで管理する場合に適している。
Jira Service Desk Jira Coreにヘルプデスク(ITSM)機能がついたもの。もともとエンジニア寄りの単語が多く難しいと感じる方にも分かりやすい入力フォームを作ることが可能。

クラウドの登場

 当初Atlassian製品はサーバに製品をインストールして運用するオンプレミス型でした。ご存知のように昨今どのサービスもクラウド(SaaS)で提供されており、Atlassian製品もクラウド対応しました。主要製品は全てクラウド対応しています。Atlassianのクラウド製品には以下のような特徴があります。

  • 新機能が短いサイクルで投入される
  • 使用できるアドオンはオンプレミス版と異なる
  • オンプレミス版とは異なるライセンス形態

 後述する2018年のAtlassian Summitの発表があるまでは、クラウドに投入された新機能は精錬された後、オンプレミス版に投入されるというものでした。そのためクラウドに魅力的な機能が追加されると「いつオンプレ版に追加されるか」というのがよく話題に上がっていました。つまり以前はオンプレ版とクラウド版は機能の提供時期が違うだけという認識でした。

 ここまでの製品体系をまとめると以下のようになります。

クラウド版とオンプレミス版の位置付け変更

 しかし、2018年のAtlassian Summitで以下のような発表がありました。

「オンプレミス版とクラウド版は異なる製品でそれぞれの進化をしていく」

 衝撃的な内容でした。つまりオンプレミス版のJira Softwareと、クラウド版のJira Softwareは同じものではなくなったということです。今後クラウド版に魅力的な機能がリリースされてもオンプレミス版に還元される保証はありません。

 利用者の間でJiraの話をしていても、それがオンプレミス版かクラウド版かでだいぶ違うものになるでしょう。本連載でもそれぞれのJiraについて書いていくのでご留意いただく必要があります。

 その発表を踏まえ、Jiraの製品体系をまとめると以下のようになります。

 上図を見て気づかれたでしょうか。早速、製品変更の先例としてJiraファミリーにクラウド版のみ「Jira Ops」という製品が追加されています。こちらはオンプレミス版の提供予定はないようです。Jira Opsはインシデント管理を目的としたJiraとなっています(2018年12月時点。2019年4月よりインシデント管理ツールは「Opsgenie」に統合され、Atlassian製品にラインアップ)。

 さらにクラウド版については、まったく新しい体験ができるJira Softwareの発表が2018年10月にありました。続けて、そのまったく新しいJira Software Cloudについて紹介していきたいと思います。


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修正履歴

  • 2019/08/19 16:36 Jira Ops関連の記述を更新しました。

著者プロフィール

  • 梶原 成親(Yappli,Inc.)(カジハラ ナリチカ)

    ヤプリ株式会社 CTO室 室長 / VP of Information. 楽天株式会社にて、開発環境および生産性を向上させるプロダクトのプロダクトオーナーを経験。スクラムでの開発および運用体制を確立する。2014年、株式会社リクルートライフスタイルに入社。HOT PEPPER Beautyの開発責...

  • 高橋 邦洋(タカハシ クニヒロ)

    2007年にヤフー株式会社に入社以降、一貫して社内のConfluenceを担当。大規模なConfluenceの安定運用に注力し社内の情報共有を推進している。2015年にはJiraを全社に導入。それらの経験を元に2016年よりAtlassian User Group Tokyoのリーダに就任、継続的に...

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連載:エクスペリエンスが刷新されたプロジェクト管理ツール「Jira」の最新動向
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