軸が1つあることで、他領域に越境しやすくなる
イベント終盤は、アンケートの内容を元にしたパネルディスカッションが行われた。ここでは、いくつかの質問と回答をピックアップして紹介する。
まずは「プロダクトを考える際に技術から考えるのか、体験から考えるのか。制作段階ではコードを書くフェーズ、デザインをするフェーズと分けるのか」という質問。出口氏は「今はあえてごちゃ混ぜにしている」と回答した。
「昔は、ここは施策を考える、ここはコードを書くというようにフェーズを分けるべきだと考えていました。でも、先ほどもお話ししたように、アウトプットしてみることで良いアイデアが浮かぶことも多いです。だから、コーディングにしろデザインにしろ、まずは手を動かしてみることを大事にしています」
次は「複数領域で仕事をするためにどのようなステップを踏み、スキルを身につけていったか」という質問。神原氏は、自分の「軸」を持つことが複数領域をまたぐうえで重要だったと解説した。
「僕はITベンチャー企業からキャリアをスタートしてアカデミック領域に移り、デザイン業界にやって来ました。その過程で『UI』という軸だけは10年近く持ち続けています。軸が1つあるとその経験を生かせるので、他の領域に越境しやすくなるんです」

最後は「UXエンジニアやデザインエンジニアがいるチームでは役割分担をどうするか」という質問。出口氏は「プロダクトのフェーズによって変えています」と回答した。
「現在担当しているアプリは、開発が2018年の年始から始まり、3月くらいまでは作っては壊してを3日に1回のペースでくり返していました。各メンバーがプロトタイプを作って、アイデアを出し合っていたんです。
プロジェクトが進んでくると、iOSエンジニアやサーバーサイドエンジニアなど専門のメンバーがどんどん入ってきました。その方々には、課金機能の実装など、技術的難易度が高いが、仕様を比較的決めやすい領域を中心にお願いしています。逆に、野心的で仕様が決めづらい領域については、企画やデザインも含めて僕が担うような形で進めています」
本イベントでは、プロダクト開発の最前線にいる両名だからこそ語れるノウハウが数多く披露された。デザインとエンジニアリングの越境を行うことで、プロダクトにも、本人のキャリアにも、プラスの影響がある。その意義が大いに感じられるイベントとなった。
