2019年に向けたService Meshの現状課題の整理と考察
セッションのトップバッターは、日本マイクロソフトの川崎庸市さんです。発表資料はこちらに公開されています。
2018年はIstioをはじめ、Service Meshが大きな注目を集めた年とのことで、クラウドネイティブアプリケーションの主要技術として進化を続けるService Meshやその周辺技術について、現状の課題と2019年今後の方向性について考察を発表されました。
アーキテクチャのトレンドの一つとして、マイクロサービス、さらには最近よく耳にするクラウドネイティブといった変遷を紹介したのち、Service Meshは、そのマイクロサービスが抱える問題解決のための一つのアプローチである、として、さらなる詳細について解説していきます。
Service Meshの特徴として、1.ネットワークを抽象化するインフラ層、2.Control PlaneとData Planeで構成、という2点を紹介したのち、さらに、Service Mesh機能を提供する代表的なソフトウェアを2018年の変遷とともに紹介しました。特に、Istio、Linkerd、Linkerd2、Consul Connect、Envoyといったソフトウェア群を、機能比較や、Googleトレンド、GitHub Star数といった統計をあわせて紹介され、2018年の流れが非常に凝縮された内容となっていて大変参考になりました。
本セッションでは、中でもEnvoyとそれを利用したIstioについて詳説していきます。解説しながら、EnvoyのFront Proxyを利用したブルーグリーンデプロイをデモ。
続いて、Istioのアーキテクチャの解説です。
Control PlaneからData Plane上の3つのバージョンへのトラフィックを、v1から、v2、v3へ90%振り分けてカナリアリリースしたのち、残りの10%を全て切り替える、といった手順でデモされました。
なお、デモのソースコードとセットアップ手順はスライド中のリンクから公開されているとのこと。Eコマースのマイクロサービスアプリケーション上でバージョンを切り替えていく様子が非常にわかりやすく披露されていたので、ぜひ手元でもトライしてみてはいかがでしょうか。
そんなIstioも利用するうえの注意点についても、多機能であるだけに設定を最小で使い始めること、などと言及されました。
また、この発表の続編は、JapanContainerDays v18.12で登壇されたこちらの資料も参考にとのことで締めくくりました。