イベント主催者は知っておきたい運営のノウハウ
ここから葛城氏は、イベント運営の具体的なノウハウについて解説していく。
まずは、「PM(責任者)は当日のタスクを持たない」というものだ。手を動かさず、責任者としての各種の判断と、登壇者や関係者への挨拶だけを行う。なぜなら、どれだけ準備を万全に行い、多くのイベント運営を経験していても、当日は必ず何かしら予期せぬことが起きるからだ。
そのときに、PMがタスクを持っていない状態であれば、すぐに問題に対応できる。また、他のイベント関係者が何かしらPMに相談したい内容があった場合にも、即座に連絡がつく。これにより、スムーズなイベント運営を実現できる。
加えて、「特定の役割になるべく2人以上をアサインする」ことも重要だという。メインの担当者にはすでにその役割を経験したことのあるメンバーを、サブの担当者には未経験者をアサインする。こうすることで、未経験のメンバーでもその役割を担いやすくなるためだ。そして、サブ担当者であったメンバーを次回のメイン担当者にすることで、他のメンバーへとノウハウが伝搬していく。
その他にも、下図のノウハウがイベント運営の助けになると葛城氏は解説した。
また、当日どうしても人手が必要になり、誰かに手伝いを依頼することもあるだろう。その際には、タイムスケジュールに沿ったシフト表をつくることがおすすめだという。何時からセッションが開始されるのか、どのパートを誰が担当するのかなどをシフト表に記載しておく。すると、イベント開始前の忙しいときでも運営者が手伝ってほしいことを助っ人に説明しやすくなり、助っ人もイベント情報を視覚的に把握しやすくなるのだ。
ヤフーの名古屋オフィスでは、今後もヤフー主催のイベントのみならず、他社にも会場を貸し出してさまざまなイベントを開催していく。2019年3月に新オフィスへと引っ越してから、(登壇した2019年9月27日時点で)24回も社外の方が参加するイベントを開催したという。「『名古屋でクリエイターの未来をつくる』というビジョンを掲げて、名古屋のコミュニティリーダーとして尽力していきたい」と、葛城氏は語る。
「コミュニティの新規立ち上げにおいては、課題を解決しながらできることからコツコツと進めていくことが大事です。小さなイベントでもいいですから、まずは開催して、ノウハウや人脈をためていくことが後々のイベント開催に役立ちます。
周りを巻き込んでイベント運営の輪を広げることも必要です。熱意を持って、やりたいという意思をなるべく広く伝えましょう。そうすることで、思いがけないところから声がかかることがあります。
そして、継続・維持することが重要です。イベントに限ったことではありませんが、やればやるほど課題も生まれてきます。生まれた課題を次のイベントで解決するつもりで、継続していきましょう。
ヤフー名古屋 Tech Meetupの立ち上げをふり返ってみると、楽しい記憶ばかりでした。何もかもが0からのスタートでしたが、新しいことを成し遂げる楽しさや充実感は何ものにも代えがたいものです」
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