4つのプロジェクトが進む開発チームをマネジメント
うるるでは、主婦向けクラウドソーシング事業「シュフティ」、クラウドワーカーを活用した「CGS(Crowd Generated Service)事業」、CGSを生み出すために顧客ニーズ・市場トレンドをつかむための「BPO事業」を展開している。2006年に、代表の星を含む経営陣によるMBO(Management Buyout)にて第二創業をしたうるるは、BPO事業を手がける会社としてスタートしたが、現在の主力事業はCGS事業だ。
CGS事業では複数のサービスが展開されているが、森山氏が所属するNJSS事業部が担当しているのが「入札情報速報サービス NJSS(エヌジェス)」だ。入札情報速報サービスとは、全国の自治体・官公庁から公示されている入札案件を検索・管理するためのサービスである。「シュフティに登録していただいている、クラウドワーカーさんをはじめとする人のチカラとテクノロジーを活用して、入札情報を収集し、契約しているお客さまが検索できるようにしています」(森山氏)
現在、NJSS事業部開発課(N-Dev)では、「現行プロダクトの運用・保守」「スクレイパーのリニューアル」「NJSS本体のフルリニューアル」「リニューアル後のNJSSと現行NJSSの並行稼働のための、腐敗防止層の実装」と、4件のプロジェクトが進められている。これらすべてのプロジェクトを含め、開発課自体をN-Devの課長 萩原北斗氏とともにマネジメントしているのが、森山氏である。
森山氏はうるるで4社目。新卒で中小のSIerに入社し、プログラマーとして会計パッケージのリニューアルなどに携わったという。2社目は、JBossを使った開発を得意とするベンチャー企業。「創業間もない会社で全員合わせても10数人。入社半年後『会社の仕組み作りをやっていてほしい』といわれ、エンジニアをやりながら人事・労務、経理、営業などの業務を兼務しました。メンバーを増やすため、会社の代表や社労士と一緒に人事制度や給与体系なども作りました」と森山氏。
仕事自体は楽しくやりがいがあったが、自社サービスを作りたいという思いが高まり、医療・介護・福祉業界向けサービスの事業会社に転職。求人広告や人材紹介のマッチングシステムの運営、社内システムの運用を担当することになった。そして、うるるに転職する半年前ぐらいから、求人広告事業と宣伝広報事業の責任者に就任したという。「エンジニアに軸足を置きつつ、複数の職種を経験したことで、エンジニアとしての仕事に専念できるのは、それを助けてくれる人たちが周りにいるからだと気付かされました。そして2社目の時から『チーム』を強く意識するようになりました」(森山氏)
チーム作りを好きになったきっかけ
森山氏がチーム作りを好きになったきっかけは、2社目の時にSES(System Engineering Service)として動画学習サービスのプロジェクトに参画したことだという。「そのチームはバックグラウンドや経験、得意領域もバラバラの人たちが集まっていましたが、それぞれが補完し合ってすごくチームワークが良かったんです。しかも、業務委託できている私たちメンバーに対しても分け隔てなく、社員と同じように『どうしたいの』と希望を聞いてくれるんです。まさにワンチーム。さらにチームメンバー全員が、結果や価値を考えた発言と行動をしていたので、適度な緊張感もありました。だから毎日その現場に行くのが楽しかったんです。『このチームに負けないチームをいつか作りたい』。これがチームビルディングや組織作りに携わりたいと思った原体験ですね」(森山氏)
そして4社目となるうるるに転職。内定が決まった時、当初は「オファーを辞退するつもりだった」と森山氏は明かす。だが、取締役であり、採用の責任者である小林伸輔氏から「エンジニアとしての力量は分からないが、1人の人間として一緒に働きたいと思った」、さらに、現在共にN-Devを率いている萩原氏から「今後、拡大していくエンジニア組織を1人でまとめるのは、正直不安しかない。あなたに助けてほしい、一緒に良いチームを作りましょう」と言葉をかけてもらったことで、辞退するという考えは頭からなくなったという。「入社するか分からない内定者に、これだけ弱みを見せられる2人はカッコいい。一緒に働きたいと思った」と森山氏は語る。