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【デブサミ2020】セッションレポート (AD)

Hack好きなエンジニアだからこそ楽しくできる! エンジニア的マネジメント術【デブサミ2020】

【14-C-7】Hackが好きなエンジニアが組織をHackしてみる考えと実践を経てきたヒストリー

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 エンジニアとしてのキャリアを重ねるうちに、チームを牽引するマネージャーの役割を求められる人は多い。しかし、エンジニアリングとは全く異なるマネジメントの業務に、戸惑いを覚えることは当然だ。良いエンジニアリングマネージャーになるために、どのようにチームと向き合い、事業に貢献していくべきなのか。株式会社うるるでエンジニアリングマネージャーを務める萩原北斗氏が、自身の経験をもとにエンジニアならではの解決策を示す。

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株式会社うるる NJSS事業部開発課 課長 萩原北斗氏
株式会社うるる NJSS事業部開発課 課長 萩原北斗氏

マネジメントもHackできる

 株式会社うるるは、40万人以上のクラウドワーカーを抱えるクラウドソーシング事業「shufti(シュフティ)」のプラットフォームを活用しながら、さまざまなサービスを展開している。中でも、萩原氏が所属するNJSS事業部では、「入札情報速報サービス NJSS(エヌジェス)」を提供している。NJSSは、官公庁や自治体から公示される年間100万件の入札情報を人力で収集しており、2020年1月現在で1470万件の公示情報と1160万件の落札情報を保有している。

 NJSS事業部でエンジニアリングチームを率いる萩原氏は、「エンジニアたるもの組織づくりもエンジニアリングしよう」と、マネジメント業務で悩みを抱えるエンジニアたちに語りかける。

 萩原氏がこの考えに至った原点には、萩原氏がうるるに入社した2013年頃に流行していたグロースハックがあるという。

 当時の上司が「エンジニアもサービスの成長を考えて、施策企画から検証まで一緒にやろう」といった考えの持ち主であり、萩原氏は「サービスにおける課題の仮説を立てる」「仮説を検証するための施策を立案する」「施策を自ら実行して仕組みをつくる」「施策を振り返る」といった一連の流れを経験することができた。このグロースハックを実践する中で、「自らがつくった仕組みを通じて、ユーザーに影響を与えることができる実感を得られた」と萩原氏は振り返る。

 その後、初めてのマネジメント業務に就くことになり、何ともいいにくいしんどさを感じていた萩原氏は、「マネジメントがうまくいかない」とメンターに相談した。すると、そのメンターは、現状をヒアリングした上で、「あなたなら、どこにどんなパッチを当てますか?」と聞いてきたのだ。最初は意味がわからなかったという萩原氏だが、確かによく考えてみると、不具合に対してパッチを当てると考えればマネジメントもエンジニア業務と同じように考えることができ、結果的にHackできるということがわかったのである。

 ここでいうHackとは、一般的に想起されるような「ちょっとした小技を用いる」ことではない。「構造のスキマを知り、それを埋める」ことが萩原氏の語る、Hackの意味するところだ。

なぜマネジメント業務はしんどいのか

 そもそも、なぜマネジメント業務は難しいのだろうか。その理由をひもとくために、萩原氏は次のスライドを提示した。

マネジメントの仕事を通した苦悩
マネジメントの仕事を通した苦悩

 これは「エンジニアとしての開発業務」と「マネージャーとしてのマネジメント業務」を、「仕事の対象」「不具合の発見と修正」「仕事による成果」の観点で比較したものだ。ここからマネジメント業務をしんどいと感じる要因として、次の3つが見えてきたそうだ。

  • 不確実性の高いもの(=人+プロジェクトの概念)を相手にするので、不安が大きい。
  • 課題の抽象度が高く、本質を捉えたり、認識を合わせたりするのが難しい。
  • 手を動かせばものができていた環境とは違い、仕事の成果がわかりにくい。

 このマネジメント業務特有のしんどさを回避するために、先に紹介した「マネジメントをHackする」考え方が有用なのだ。

 実際のマネジメントをHackするステップは、「理解」→「設計」→「実装」の順に進めていく。開発業務でプログラムやアーキテクチャを理解するのと同様に、まずは見えないものを可視化して、構造を理解するところから始める。次に、改修すべき箇所を見つけ出し、そこに変更のプログラムを実装するように、スキマに入り込むための施策を設計し、実施していく。

次のページ
Hackの楽しさをマネジメントでも感じよう

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