米Amazon Web Services(以下、AWS)は、「Amazon Managed Blockchain」が東京リージョンに対応したことを、3月16日に発表した。
「Amazon Managed Blockchain」は、フルマネージド型のサービスで、一般的なオープンソースフレームワークである「Hyperledger Fabric」や「Ethereum」を使用し、スケーラブルなブロックチェーンネットワークを容易に作成・管理できる。なお、「Ethereum」版は近日公開される予定。
ブロックチェーンテクノロジーは、複数の当事者が、トランザクションを実行できるアプリケーションを構築できる一方で、既存のテクノロジーを使用してスケーラブルなブロックチェーンネットワークを構築することは難しく、管理が困難である。
AWSでは、複数の当事者が信頼された機関に所有権を一元化してトランザクションを扱う「中央集権型」と、複数の当事者が所有権を分散してトランザクションを扱う「分散型」の2つの運用形態に合わせたサービスを提供している。中央集権型システムでは、元帳データベースである「Amazon Quantum Ledger Database(Amazon QLDB)」を提供。
今回は、「分散型」ブロックチェーンネットワーク構築をフルマネージドが行う「Amazon Managed Blockchain」が、東京リージョンに対応したことを発表した。
ブロックチェーンネットワークを構築するために、各ネットワークメンバーは、手動でハードウェアをプロビジョニングし、ソフトウェアをインストールするほか、アクセスコントロール用の証明書を作成および管理、ネットワーキングコンポーネントを設定する必要がある。
ブロックチェーンネットワークが稼働すれば、インフラストラクチャを継続的に監視し、トランザクション要求の増加、ネットワークへの参加または退会などに対応する必要があるが、「Amazon Managed Blockchain」では、わずか数回のクリックでスケーラブルなブロックチェーンネットワークをセットアップし、管理することが可能。数100万件のトランザクションを実行する数1000ものアプリケーションの要求に合わせて、自動的にスケールする。
また、通常の分散型ブロックチェーンネットワーク構築の際に課題となる証明書の運用も、「AWS Key Management Service (KMS)」を使用することで、ユーザーが独自のキーストレージを設定する必要も無くなる。なお、詳しい起動手順は公式ブログより確認できる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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