「マーケットと顧客に対する理解度の総面積」を広くする
――最後に、ProductZineがプロダクトマネージャー向けのメディアであることにちなみ、同職を担われている方や志望する方に向けて、皆さんが大切にしていること・考え方を教えてください。
村岡:CPOは、マーケットと顧客に対する理解度の“総面積”を、他の職種よりも広く持たなければならないと考えています。総面積と述べたのは、特定の領域を深く理解する形でも、幅広い領域を理解する形でもいいからです。
理解度の総面積を広くすることで、目先のことだけではなく、5年先や10年先のために何をすべきなのかを見通せるようになる。それが、CPOに必要な目線なのだと思います。そのスキルに加えて、前編でも述べたように各職種のメンバーがどのような価値観に基づいて仕事をしているのかを理解すること。私はその2点が重要だと考えています。
石川:私はプロダクトマネージャー的な立場として働いているのですが、この職種において重要なのは、プロダクトがどうあるべきかというビジョンをCPOだけに委ねるのではなく、CPOと同じ視点を持ったうえで仕事をすることです。
その視点があることで、CPOから「○○のマーケットに○○という趣旨のプロダクトを投下することで、顧客にとっての利益になるのではないか」という抽象度の高い意見を投げかけられたときに、具体的な課題解決の手段をともに考えることができる。自分たちの持つ技術やリソースを活用して、どのようにビジョンを実現できるのかを検討できるプロダクトマネージャーになれると思います。
岩間:プロダクトマネージャーやCPOと一緒に仕事をするうえでは、彼らが求めている事業のスピード感を理解しつつ、開発を進めることが非常に大切です。
エンジニアは基本的に完璧主義なところがあるので、時間をかけてでもシステムの設計やソースコードの完成度を高めようとする傾向があります。ですが、そのせいで必要な機能が適切なタイミングで世に出なくなってしまえば、その開発は意味のないものになってしまうはずです。
例えば私は、ベトナムのメンバーが「○○という設計の方が、あるべき姿ではないだろうか」という趣旨の意見を出してくれた際に「その通りだが、会社の状況はいま○○だからこそ、○○に間に合わせることがビジネスにおいて何よりも重要になる。そのため今回はこの方針を選んでほしい」という趣旨のフォードバックを行うことも多いです。
なぜそのプロダクトが必要なのか、どのような理由でいつまでにリリースする必要があるのか、プロダクトマネージャーやCPOの考えが必ずあるはずです。その意図を理解し、メンバー同士で認識を揃えたうえでプロジェクトを進めることが、プロダクト開発において大切なのではないでしょうか。
――プロダクトを中心とした組織のあり方について、大変参考になる貴重なお話でした。ありがとうございました!
