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プロダクトマネジメントの基本を学ぼう

単なるKGI/KPIではNG? PMがプロダクトの成果を正しく計測するために必要な考え方

プロダクトマネジメントの基本を学ぼう 第11回

プロダクトマネージャーのキャリアパス

  プロダクトマネージャーはその担当範囲や担当プロダクトの重要性や複雑さによって、高いスキルが要求されることはこれまでの連載でさまざまな形で触れてきた。先述のようにプロダクト施策が狙いとする結果を出し、その実績でキャリアも積んでいくことができれば、職位が上がっていくこととなる。

 連載の最後に、プロダクトマネージャーが成長したあかつきには、どのようなキャリアパスが待っているかについて解説しよう。

 肩書(ジョブタイトル)は組織によって異なるが、一般的には次のような呼称でエントリーレベルから組織長、そして会社を代表する職位までが用意される。日本ではまだここまでプロダクトマネージャーをそろえている会社は少ないが、米国などの諸外国でプロダクト開発を重視している会社はこのような職位体系を取るところが多い。

アソシエイトプロダクトマネージャー  エントリーレベルであり、多くはシニアなプロダクトマネージャーからの指導を受けながら業務を遂行する。
担当する領域はプロダクトの中の最小単位の機能などである。
プロダクトマネージャー 一般レベルであり、プロダクトマネージャーとして業務を完遂する能力を持つ。
担当する領域は大きなプロダクトの場合はその一部分や機能、小さなプロダクトの場合はプロダクト全体となる。
シニアプロダクトマネージャー 
リードプロダクトマネージャー 
シニアレベルであり、プロダクトマネージャーとして業務を完遂することに加え、事業戦略の立案と実施へ貢献も求められる。
担当する領域はプロダクトやプロダクト群となり、アソシエイトプロダクトマネージャーやプロダクトマネージャーの指導も行う(人事上のマネージャーとなることもある)。
プロダクトマネジメントディレクター  
プロダクトディレクター
プリンシパルプロダクトマネージャー

シニアレベルであり、プロダクトマネジメント組織を率いる。
大きなプロダクトか、プロダクト群を担当するプロダクトマネージャー組織を人事上のマネージャーとして担当する。プロダクト全体の戦略立案を担うとともに、プロダクトマネジメント組織の組織づくりにも責任を持つ。
一方、プリンシパルプロダクトマネージャーといった肩書の場合、人事上のマネージャーとはならずに、卓越したプロダクトマネジメント能力でプロダクトへの貢献を行うポジションが用意されていることもある。

プロダクト担当VP(VP of Product)  
CPO (Chief Product Officer)    
経営陣もしくはそれ相当のレベルのポジションであり、全社のプロダクト戦略とプロダクトマネジメント組織に責任を持つ。

 プロダクトマネージャーとしてのキャリアは、その担当領域が広がっていく形で構築されていく。すなわち、最初のエントリーレベルのプロダクトマネージャーでは一機能などを担当するなど、自らが責任を持つ領域は極めて小さいが、スキルが上がり、組織内で信頼も得られるようになるに従って、その担当領域がプロダクト全体や複数プロダクトにわたるようになる。これらの範囲を1人で担当することは難しいため、上位職になると他プロダクトマネージャーを指揮し、組織としてその領域を担当することとなる。

 エンジニアなどの他職種の場合は、人事上のマネージャーにならずとも、純粋な専門職として職位を上げることが可能な人事制度を持つ会社もある。しかし、プロダクトマネージャーの場合は担当領域を広げることにより、事業への貢献度を高めることが多いため、上位職となるに従って人事上のマネージャーとなり、組織に対しての責任も持つようになる。これにより、プロダクト内もしくは会社のプロダクト間での戦略に一貫性を持たせることも可能となる。

 プロダクトが成長してくると、一つ一つのプロダクトマネージャーの決定が積み重なって、われわれの生活・社会・人生に大きな影響を及ぼし始める。そのスケールの大きさや責任の重さ、またそこで繰り広げられる悲喜こもごもは非常にダイナミックで楽しいものだ。それが世界レベルで展開されるならなおさらだ。ぜひプロダクトマネージャーに興味があるなら体験してほしい。

 またプロダクトマネージャーはそのスキルの範囲が広範にわたるため、例えばUSではプロダクトマネージャー「後」のキャリアも多彩だ。ざっと挙げるだけでも、起業しCEOとなる、公共・NPOサービス開発へとフィールドを変える、ベンチャーキャピタルに移る、エンジニアリングディレクターやCTOなど技術部門のトップへと昇進する、デザイナーやデータサイエンティストにコンバートする、コンサルティングの領域に進みプロダクト開発を助ける立場につく、Product Schoolのようなプロダクトマネジメント教育に力を注ぎ後進の育成に従事する、プロダクトマネジメント経験から得たプロダクトに対する洞察力を生かしてテクノロジージャーナリストになるなど、プロダクトマネージャー経験はあなたの人生の選択肢を増やしてくれることは間違いない。

おわりに

 11回にわたり、プロダクトマネージャーの基本についてさまざまな角度から連載をしてきた。日本ではなかなか実態を知られることのなかったプロダクトマネージャーという存在について、その意義や求められるものについて理解が広まったのなら執筆陣として光栄だ。

 現在書籍の執筆は佳境に入り、連載でカバーしきれなかった内容などを含め豊富なトピックで皆さまのお手元に届けたいと考えている。記事や連載を通してのフィードバックをできる限り受け付けているので、ご意見、ご感想は #PMの基本 にお寄せいただきたい(後述)。

#PMの基本 で投稿しよう!

 本連載は、プロダクトマネージャーを目指す方の道しるべとなる書籍(執筆中)の一部抜粋です。

 本連載のフィードバックは、「#PMの基本」をつけてTwitterFacebookなどにご投稿ください! 私たちはそれを見て、より現場の悩みに寄り添った書籍を作っていきます。読者の皆さん同士でも、意見を共有する機会になればと思います。

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この記事の著者

及川 卓也(オイカワ タクヤ)

 早稲田大学理工学部を卒業後、外資系コンピューターメーカーに就職。営業サポート、ソフトウエア開発、研究開発に従事し、その後、別の外資系企業にてOSの開発に携わる。その後、3社目となる外資系企業にてプロダクトマネージャーとエンジニアリングマネージャーとして勤務後、スタートアップを経て、独立。2019年...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

曽根原 春樹(ソネハラ ハルキ)

 Fortune500系外資企業に入社後、SE、カスタマーサポート、マーケティングなど様々な役職を日米で従事。その後シリコンバレーでプロダクトマネージャーに転身。B2B、B2C領域で米系大企業・スタートアップの双方でプロダクトの世界展開に携わる。現在はSmartNews社米国法人にて日本のスタートア...

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小城 久美子(コシロ クミコ)

 toC向けサービスを提供するWeb系企業に入社し、その後いくつかの企業で新規事業の立ち上げなどにエンジニア、スクラムマスターとして携わる。どう作るかより何を作るかに興味関心が移り、プロダクトオーナー/プロダクトマネージャーに転身。プロダクトマネジメントについてより深めるために、2019年よりTab...

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