リサーチ起点で課題を発見したい チームや個人として挑戦したいこととは
――チームとして今後取り組んでいきたいこと、注力したいことはありますか?
いまは、このあたりに課題があるはずという仮説からプロジェクトが始まることが多いのですが、リサーチでその機会も発見できたらと思っています。作るものが決まっていなくても、「こういう業種のユーザーさんはここでつまずいていることが多い」といった課題をリサーチで見つけ、それを開発につなげていける仕組みづくりに取り組んでいきたいです。
もうひとつ注力したいのは、ユーザビリティテストです。リサーチで課題を発見し、解決のために機能をリリースするのですが、実際にその課題が解決できたか、想定どおりに使ってもらえているか、といったリリース後のリサーチはあまりできていません。リリースしたものもユーザビリティテストなどで評価し、その品質を高めていけたらと思っています。
――最後に、仁科さんご自身として挑戦したいことなどあればお聞かせください。
Chatworkのプロダクトで満たされている部分も多いのですが、人々のコミュニケーション解決のためのサービスやプロダクトを作ってみたいと思っています。いまの情勢を考えると、私自身離れた場所で暮らす家族に会うことも遠慮してしまいがちなのですが、かといってビデオチャットをするかというとそういうわけでもない。必要なタイミングで必要な人とオンラインのコミュニケーションがとれる方法は、ビデオ会議やSNS以外にもまだまだ可能性があるように感じています。具体的な構想があるわけではないのですが、それをリサーチして開発するのは楽しそうだなと思っています。
もうひとつは、UXをチーム全員で取り組めるような仕組みづくりです。そのためにいままさに取り組んでいるのが、プロダクトデザイン部の役割定義。そもそも社長や経営陣はデザイナーになにを期待しているのかなど、役割の認識合わせはもっと行っていかなければいけないと思い、新しい期が始まる1月に向けて準備を進めています。
ビジネスチャットも国内外ともにさまざまなサービスが登場し、当たり前の品質と認識されるラインも見えてきた中で大切になるのは、見た目はもちろん、いかになめらかに使えるかといった体験の部分になる――。Chatworkの役員陣がそういったメッセージを積極的に発信してくれていることからも、デザインに対する期待の高さはひしひしと感じます。
ですが、プロダクトデザイン部として来年はなにを目指していくのか、その期待値をお互いに理解していないと、良かれと思って進めた施策も空回りしかねません。私たちがリサーチをとおしてやりたいと思っていることを会社も求めているのか。しっかりすり合わせながら取り組んでいけたらと思っています。
――仁科さん、ありがとうございました!