オープンソースのPython用機械学習ライブラリPyTorch開発チームは、最新版となる「PyTorch 1.8」を3月4日(現地時間)にリリースした。
「PyTorch 1.8」は、3000超のコミットで構成され、コンパイル、コード最適化、科学計算用フロントエンドAPI、AMD ROCmサポートといった機能追加・改善が行われたほか、パイプラインとモデルの並列処理および勾配圧縮の大規模なトレーニングのための機能改善などが行われている。
具体的には、NumPyのnp.fftモジュールと同等の機能を備え、ハードウェアアクセラレーションと自動グラデーションをサポートしたtorch.fftや、コレスキー分解、行列式、固有値といった一般的な線形代数演算をNumPyスタイルでサポートするtorch.linalg(ベータ版)、FXを使用したPythonコード変換のサポート(ベータ版)が追加されたほか、パイプラインの並列処理(ベータ版)、DDP通信フック(ベータ版)、分散トレーニング用プロトタイプ機能が追加された。
ほかにも、PyTorch Mobileにおけるチュートリアルセットの拡張や、リソースに制約のあるデバイスでのPyTorchプログラムの実行を可能にするPyTorch Lite Interpreterの追加、正確なパフォーマンス測定ができるBenchmark utilsの追加、自動量子化APIであるFX Graph Mode Quantization(プロトタイプ)の追加、C++の新しいバックエンド用にPyTorchディスパッチャーを拡張する機能(ベータ版)の追加、AMD GPUバイナリへの対応が行われている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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