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自分の可能性を広げよう!U30デベロッパーのための「キャリアのすゝめ」

「楽しく働きたい」と思って環境を変えたらキャリアが広がった――プレイド池上さんが語るエンジニアが楽しく働くためのコツ

個人的な情報発信へのポジティブな反応が成功体験に

――ご自身のキャリアについて考えたことが、ポッドキャストでの「しがないラジオ」配信につながっていくんですね。

 富士通時代の仲の良い同期が私より先に辞めてスタートアップに転職していて、その後も会っているうちにノリで「一緒にやろう」ということになったんです。2人とも大企業からベンチャー企業に転職し、楽しくエンジニアとして働いているという共通点があったため、テーマは自然に「エンジニアのキャリア」となりました。

 「しがないラジオ」を継続していくうちに、業界内に認知されるようになって著名なエンジニアの方が登場してくださったり、本を出すことになったり、どんどん発信の場が広がっていきました。特にうれしかったのが、本を読んで「自分のキャリアを考えるきっかけになった」といったポジティブなフィードバックをたくさんいただいたことですね。

 「しがないラジオ」を始める前は、自分が何かを発信したことで他の人の人生にポジティブな影響を与えるなんて、想像したことがありませんでした。意外と発信し続けると見つけてくれる人、受け止めてくれる人がいるという気づきがあって、それが成功体験になっていると思います。

エンジニアのキャリアをテーマにした「しがないラジオ」
エンジニアのキャリアをテーマにした「しがないラジオ」

――それが今度は、非エンジニアの方向けの発信に変わっていったのですね。

 「しがないラジオ」をきっかけに、SIerからWebエンジニアに転職したい人をメインターゲットにして本を書くことになり、そこには自身や友人の体験、ラジオで聞いた方々の話を踏まえつつ、「どうしたら自分のスキルや実績を積み上げられるのか」「転職活動で自分のキャリアをどう見つめ直すか」といった内容を盛り込みました。また、「楽しく働くことが大事で、そうなるためのプロセスを踏めば、あなたにもそれができるんだよ!」というメッセージを熱く伝えました。そして、ポジティブな反応をたくさんいただき、もうそこで全て出し切った気がして、いわば燃え尽きてしまったんです。

 それで、次に何をやろうかと考えている時に「今自分が抱えている課題」に思い当たりました。エンジニアがどんなに良いプロダクトを作っても、その価値を理解して使いこなせる「エンジニアではない人」がいないと、価値が半減してしまうということに気づきました。ある機能があって使いこなせるとすごい価値が生まれるのに、使いこなせないから成果が出なくて、価値を認めてもらえない。結果、使うのを止めてしまう。それがプレイドの中でも課題として大きくなっていました。

 もちろんプロダクトそのものの使い方をしっかりと教えることは大切です。でも、その裏側にあるテクノロジーについての理解がないと、ちょっとしたことでつまずいてしまう。例えば、データベースやWebといった基礎的な知識が不足しているため、エンジニアが頑張って作ったプロダクトの価値が正当に評価されないし、苦労が報われない。それがもったいないと思いました。

 そこで、自分がその「間」を埋めるような活動ができれば、日本企業全体でユーザーのリテラシーが上がって、システムの価値が上がり、事業にも成果が出る。そして、裏側ではエンジニアがもっと評価されて仕事も楽になると考えたんです。

 今後は当面の間、「非エンジニアのためのテクノロジー知識」にフォーカスしていくつもりです。非エンジニアがどのような技術の知識を持てば、どのように仕事が楽しくなるのか、どのような職種が生まれるのか……といったことを発信活動を通じて模索していきたいと考えています。

非エンジニアの人に向けたYouTubeでの発信
非エンジニアの人に向けたYouTubeでの発信

「自分の人生」を動かせるのは、自分自身だけ

――多方面でご活躍されている池上さんですが、ご自身の中での転機はいつ頃でしょうか。また、その結果どのように変わられたのでしょうか。

 やはり「転職」の経験が一番大きいです。自分なりに「どうしたら楽しく働けるのか」を真剣に考え、プロセスを踏んでプレイドにたどり着きました。さらにその中でも試行錯誤して今に至るわけですが、とにかく今は仕事が楽しくて、成長している実感があります。さらに言えば年収も上がり、チートではないかと思うくらい、環境が変わるだけで同じ人なのに「仕事の幸福度」が全く違うことに衝撃を受けました。

 でも、「本も書いて、インタビューもされるようなすごい人と、自分は違うから」と思う人もいるかもしれません。私も「すごい人と自分は違う」と思っていました。エンジニアとしてバリバリ仕事をし、そして楽しく働いている人に対してコンプレックスを持っていたんです。でも、私がしたことは「楽しく働きたい」と思って環境を変えた、本当にそれだけなんです。その結果、楽しく働けています。なので「自分とは違う」と思って動かないのは、もったいないと思うんですよね。正直気持ちはとてもわかりますし、その当時の自分でも同じことを言うと思いますが。

――自分のキャリアについて悩んでいるエンジニアの皆さんに、池上さんなりのアドバイスをお願いします。

 詳しくは本を読んでいただきたいのですが(笑)、ぜひ楽しく働けるように3つのことを心がけていただければと思います。まず1つ目は「余裕を持つこと」です。何か新しいチャレンジをするには、時間が必要です。自分の強みについて考えたり、その強みを活かせる転職活動をしたり、勉強をするためにも余裕がないとできません。いっそ会社を辞めてしまうのも手ですが、生活もあるでしょうし正直難しいところです。そこで、「やりたくないことをやらないようにする」ことで時間をつくりましょう。例えば、残業もそうですね。

 2つ目に、自分の強みの考え方として、ちょっと見方を変えてみると良いかもしれません。エンジニアには、どうしても「技術力が高くなくては〜」という風潮があります。オープンソースにコミットとか、カンファレンスに登壇するくらいでなくては……みたいな。でも、決してそれだけではないと思います。例えば、私は技術については一定わかる程度ですが、それについてわかりやすくかみ砕いて伝えることが得意です。その能力を活かして、仕事でも価値を出し、やりがいを得ています。よく「価値を組み合わせて、より希少な価値にする」と言いますが、1つの強みだけで全突破しなくても、いくつかの小さな強みを掛け合わせて武器としていけばいいのではないかと思います。

 3つ目は、評価される価値を見つけていくことです。例えば、「大食い」ってなかなかエンジニアでは活かしにくいスキルですよね。どのような強みがどんな場所で高く評価されるのか、それを見つけた上でそれが高く評価される環境に行くことがとても大切です。もちろん、自分が成長することも必要ですが、それ以上に一番強みを評価される環境を探すことに、労力をかけてもいいと思います。

 私の場合それが「転職」だったのですが、部署異動やフリーランス、起業など何でも良いと思います。思い切って環境を変えてみることも大切です。そこから自分の強みに気づくこともあるのではないでしょうか。

 そして番外編になりますが、最後に1番伝えたいことは「あなたの人生を見ているのはあなただけ。他の人は全く見ていないので大丈夫!」ということです。会社を辞めたら上司に怒られる、発信したら炎上するかもなど、いろいろと考えてしまい、新しいことにチャレンジするのは怖いかもしれません。

 でも、意外と周りの人は他の人の人生に興味がないんです。会社を辞めたことを3年間怒り続けている上司はきっといないし、ブログの閲覧者がゼロということはあっても最初から炎上するようなことはほとんどないと思います。なので、そういった怖さを恐れずにまずはやってみて、ちょっと違うなと思ったら軌道修正していく。それを繰り返していけば、徐々に自分自身が思う「楽しく働く」ことに近づけるのではないでしょうか。

――ストレートなメッセージをいただき、ありがとうございました!

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鍋島 英莉(編集部)(ナベシマ エリ)

2019年に翔泳社へ中途入社し、CodeZine編集部に配属。同志社大学文学部文化史学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/14137 2021/05/21 11:00

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