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Women Developers Summit セッションレポート(AD)

まずは自分を楽にすることから――ママエンジニアが仕事も家事も大切にする方法を見つけるまで【デブサミウーマン】

【B-3】スタートアップが作る決済サービス、ママエンジニアとしての携わり方

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家庭のタスクを把握・整理し、自分を楽にすることが両立につながる

 「このような時間を過ごした後、私はMobility Technologiesへの入社を決めました」と金さん。満を持して再出発だ。

 現在の会社はコアタイムなしのフレックスタイム制で、現在はリモート勤務が中心だ。勤務時間はおおよそ朝9時半から夕方6時半まで。金さんが意識しているのは自分の生活に合わせた作業計画を立てること。家庭のイベントを考慮して勤務時間やリリース日を調整している。ミーティングや問い合わせ対応など期限が明確なものを優先し、開発作業の時間を調整している。

 新しい技術情報やトレンドのキャッチアップはYouTubeを活用している。コンテンツの種類が豊富で、家事をしながら聞くこともできる。カンファレンスやセミナーに参加することもある。このように、最新情報を自力で調査するよりは早く済むようになった。今では子どもを寝かしつけた後に読書や動画視聴で情報収集する時間を持つようにしている。ただし2時間以内を限度としている。

 子どもは5歳になり、保育園には朝8時半から夕方5時まで預けている。夫婦どちらもリモート勤務が中心なので、家事は分担。保育園への送りは夫、迎えは都合がつく人。子どもは保育園から帰宅すると、夕飯まで両親が仕事をしている部屋で一緒に過ごす。今では通信教育の自習やキーボード練習もできるようになった。

 育児で重視するのは子どもを放置してしまわないこと。互いの作業スケジュールを共有することで、忙しい時間が重複して子どもが置き去りになるのを防いでいる。スケジュール共有にはTimeTree、帰る時間の確認にはLife360を使っている。

 家事の分担はExcelでリストアップして担当を決める。やりたくない順に調整するところがユニークだ。夫婦それぞれが「やりたくないもの」をピックアップし、やらなくていいと割りきるか、相手がやる。やりたくないものをやらずに済むことで気持ちが落ちるのを避けるのと、相手への思いやりが伝わりやすいためだそうだ。

 家事効率化に乾燥機付き洗濯機やロボット掃除機などの家電も導入。時短料理セットも活用することで、子どもと過ごす時間が1時間ほど増えたという。捻出した時間はおもちゃで一緒に遊んだり、本を読んだりして過ごしている。

 これまでの経緯における育児の大変さ、仕事の大変さ、仕事のやりがいについて、心境の変化をグラフで示したのが下図になる。

感情バロメーター
感情バロメーター

 仕事と家事の両立がうまくいかず、仕事のやりがいも落ちた時期は仕事も育児の大変さもピークになっていた。金さんは「仕事のやりがいがない分、子どもを無理矢理がまんさせている気持ちになり、より大変に感じていました」と述懐する。

 今はどうかというと「仕事が大変な時期もありますが、自分がサービスを作っているとやりがいが強くなり、子どもに頑張っているママの姿を見せられるのでいいと思います」と話す。公私ともにうまく回ることで、感情面もポジティブになり輝いている。

 金さんは両立がうまくいかなかった時期を振り返り、次のように話す。「一時期は仕事の忙しさを理由にママとしての役割とタスクをよく見ようとせず、それで子どもを不安にさせてしまいました。余裕がなくなると表情や言葉に表れてしまい、互いに敏感になるのだと実感しました。ママとしてどんな役割が必要で、どのようなタスクが必要か把握することが大事です」

 今ではやるべきタスクを把握したうえで家庭内で調整し、夫婦で思いやりを持ちながら分担しているので好循環が生まれている。家事と両立している現状における仕事の向き合い方について、金さんは「自分ができることから仕事を発展させていくのがうまく進められる方法」と考えている。

 最後に金さんは次のようなメッセージで締めくくった。「自分が楽な状態だと子どもにも同僚にもよく、1回でも多く笑顔を見せたり、優しい声かけができたりするようになります。今は自分が楽になる方法をいろいろ調べてみないといけないと思っています。今日話したことが聞いてくださった皆さんの参考になれば幸いです」

 

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/15304 2022/01/21 12:00

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