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【WWDC2022直前!】いくつ知っている? WWDC2021でのiOS/iPadOSの進化を振り返る

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 Worldwide Developers Conference(以下、WWDC)は、Appleが毎年6月ごろに開催する開発者向けイベントです。iOSやwatchOSの最新機能も発表されるため、Appleファンも注目しています。セッション数は200を超え、情報量も多いです。そこで本連載では、2021年に開催されたWWDC2021で、新しく追加されたAPIや新OSの便利な使い方を紹介します。前回まではSwift Concurrency、Xcode Cloud、およびSwiftUIに関するアップデートをご紹介しました。今回はiOS、iPadOSにおけるアップデート内容にフォーカスし、いくつかのトピックを取り上げて解説を行います。開催が間近に迫ってきたWWDC2022を前に去年の発表内容を振り返っていきましょう。

目次

はじめに

 WWDCでは、毎年Appleが提供する各OSに大量のアップデートが発表されます。そのボリュームはひとつのOSだけでも膨大な量があるため、今回はiOS(iPhoneの機能)とiPadOS(iPadの機能)に関するアップデートのみに絞り、特徴的な内容をピックアップしてご紹介していきます。

 まずご紹介するのは、昨今のリモートコミュニケーションが主体の生活に対して、それをサポートしてくれる便利な機能が追加されたという内容についてです。

  1. リモート環境下でもオフラインのような繋がりが可能になる、「空間オーディオ」と「SharePlay」
  2. 「FocusMode」と「新しいNotification」により、大切な時間をより集中しやすい環境に

 次に、今までは実現できなかったことが今回のアップデートによって可能になったというトピックについて2点紹介します。

  1. 「Safari Web Extension」で自分専用のSafariに
  2. iPadでiPhone/iPadアプリが作れる時代が来る「Swift Playground」

対象読者

 本記事では昨年開催されたWWDC2021で発表された技術のいくつかについて、主要な内容のみをキャッチアップ・振り返りたいという読者を対象としています。そのため、各内容についての詳細な技術解説などは掲載しておりません。

環境

 掲載しているコードは以下の環境で確認したものを載せております。

  • Xcode13.3
  • iOS15.4
  • iPadOS15.4

リモート環境下でもオフラインのような繋がりが可能になる、「空間オーディオ」と「SharePlay」

 このセクションでは、「空間オーディオ」と新OSで導入された「SharePlay」についてご紹介します。

 まずは、それぞれの技術の紹介からしていきます。

空間オーディオ

 空間オーディオとは、サウンドを立体的なものとして体験できる技術です。映画館で聞くようなサウンドをイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。これが、新OSではステレオ音源でも擬似的に「空間オーディオ化」することができるようになりました。

 また、「ダイナミックヘッドトラッキング」と呼ばれる音の聞こえてくる方向を固定する技術も導入され、より臨場感のある体験が得られるようになっています。現実の音楽ライブなどに行った際、正面を向いていると音が正面から聞こえてくるのに対し、右を向くと右耳から入ってくる音が大きくなるということがあると思いますが、このような体験がAppleMusicやSpotify, Netflixなどのメディアサービスで得られるようになりました。

SharePlay

 SharePlayは一言で言うと「リアルタイムで体験を共有することができる機能」です。具体的には、「再生中の音楽を通話相手と一緒に聴く」ことや「視聴中の映像を通話相手と一緒に見る」ということがFaceTime中に可能となります。

 この時音声や映像のコントロールも、SharePlay中のユーザーであれば誰でも行うことができ、再生位置も全ユーザー間で同期することが可能になっています。

 また、メディア再生だけでなく単に表示中の画面共有を行うということも可能になっており、大きく分けて以下の3種類のSharePlayが可能となっています。

  1. 動画や音楽などのメディア再生の共有
  2. 端末の画面共有
  3. 個別のアプリで実装されたカスタムの共有体験

SharePlayと空間オーディオを搭載したFaceTime

 「SharePlay」と「空間オーディオ」はFaceTimeに機能として組み込まれており、これらを活用することで今までとは全く新しい体験を得ることが可能になっています。

 空間オーディオの機能をONにすると、画面上の発話者の方向から音が聞こえてくるような体験が得られるようになり、まるで同じ部屋にいるかのような「より自然で心地よい実際の会話に近い環境」が実現可能になります。そしてユーザーがFaceTime通話をしている最中、SharePlayに対応したアプリの「再生」アクションを行うと、それを通話中全てのユーザーと同期して体験することもできます。「FaceTimeLink」機能により、簡単に通話用URLを共有することもできるので、これからはよりリアルに近いコミュニケーションをオンライン上で行えるようになっていくかもしれません。

 昨今のコロナ禍においては、オフラインで誰かと同じ空間を共有して楽しむ機会が減ったと感じている方はとても多いかと思いますが、これらの機能を搭載したFaceTimeを活用することで、まるで同じ空間を共有しているかのような体験を得られるようになるでしょう。


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連載:iOSエンジニアたちと振り返るWWDC

著者プロフィール

  • 横山 拓也(ヘイ株式会社)(ヨコヤマ タクヤ)

     ヘイ株式会社テクノロジー部門モバイル本部にて、STORES レジ のiOSアプリ開発に従事。  水産学部出身でエンジニアになり、主にモバイルアプリ開発を主軸として経験を積み、現在ではAndroidやFlutterなども書く。

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