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オラクル技術エキスパートが紹介する 開発者のためのデータベース完全ガイド

地図データに代表される「空間データ」とは何か? データベースでの扱い方を紹介

オラクル技術エキスパートが紹介する 開発者のためのデータベース完全ガイド 第10回

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 この連載では、開発者の皆様がシステム・アーキテクチャやアプリケーション・コードをより洗練させるのに役立つデータベース・マネジメント・システム(DBMS)の基本を振り返り、実装に合った技術の組み合わせを解説します。今回は今後ますます活用が進むと期待されている空間データについて、ベクターデータを中心にその特徴から実装までを紹介します。

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はじめに

 この連載は、第1回に紹介したDBMSの3階層構造における「アーキテクチャと実装」についての技術の紹介から始まり、中間の階層である「データ・モデルとデータ型」についてお伝えしてきています。データ・モデルとデータ型として、JSONをDBMSで扱う方法やグラフデータモデルとグラフDBMSについて取り上げてきました。

 今回は空間データのベクターデータというデータ型を中心に、空間データの特徴や実装について書いていきたいと思います。

 なお、本連載で例として挙げるデータベースはオラクルが提供しているものが多いですが、オラクル製品を使っていない方にも参考にしていただけるように解説します。

対象読者

 この連載では以下の読者を想定しています。

  • データ資産を活用する、新しいアプリケーションの構想や設計を担われる方
  • データ基盤の運用を担われている方や、今後検討される方
  • 新たに開発するアプリケーションの、最適なデータベースをお探しの方
  • 目的別データベースから、価値ある情報を素早く引き出す検討をされている方

空間データとは

 空間データとは文字通り空間に関するデータ、空間の情報をデータ化したものになります。我々が比較的頻繁に目にする空間データとしては地図データが挙げられます。これは地理上の空間データ、地理空間データの代表的なものの1つだろうと思います。

 地図データには、河川、道路、鉄道、都道府県や地区町村などの行政区、土地の形状、レストラン、コンビニ、ガソリンスタンドなどの店舗の位置などの「形」を表現するデータと、個々のレストランの名称やジャンル、コンビニの店舗名などの属性データが含まれています。

 国交省が公開している国土数値データの河川データを例とすると、河川の「形」と、河川の名称、水系域コード(その河川が何水系か)、河川の起点、河川の流れる向きなどがデータ化されています。

 こういった空間データが他のデータと違う特徴の1つはこの「形」を表現するデータが存在する点にあります。このような「形」は多くの場合、ベクターデータと呼ばれる数字を組み合わせた形で表現されています。

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この記事の著者

中井 亮矢(日本オラクル株式会社)(ナカイ リョウヤ)

 日本オラクル株式会社でOracle Databaseを担当するエンジニア。主に地理空間機能、グラフ機能、機械学習機能を中心とするデータ活用や性能チューニングの領域で、製造業、小売業、公共・公益などの様々な問題解決およびコンサルティングに従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/16867 2022/12/14 11:00

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