未経験者は基礎学習が重要──キャリアを重ねる中で必要なのは専門性
続いて学生の方から、「どんな資格を取ればエンジニアになったときに有利ですか」という質問があった。久松氏は、基本情報技術者試験やITパスポートの学習実績があると差がつくとした。國司氏は、ネットワークの領域、インフラエンジニアの領域であればCCNAとLPICレベル1という資格があるが、CCNAを取ってからLPICに移るよりも、上位のCCNPを取って、技術的な軸をしっかりと身に付けてから、その後サーバーの領域の勉強をしていくのが近道だとしながら、未経験者には資格よりも業務を知ることが重要だと次のように述べた。
「サッカーでたとえると、CCNAなど資格の勉強はリフティングをしているだけです。それだと試合に出て活躍できないと思います。ルールを知り、上手い人のプレイを見てイメージすることが大事です。IT業界にはどんな会社があって、どのようにお金が流れているのか、ITシステムもネットワークやサーバー、データベースなどいろいろなものが組み合わさっているので、基礎的なルールを調べるほか、経験者に教えてもらうことをおすすめしています」(國司氏)
音井氏はアイドルをはじめたころマイクの持ち方やダンスの基礎などを学んだとし、それらの基礎は大事であると語った。久松氏は「まっとうな師匠、先輩を見つけるのが近道です」とアドバイスした。
次は「プロジェクトマネージャーとスペシャリストはどちらがいいか」という進路に関する質問。
久松氏は、スペシャリストになるならITの領域は技術の流行り廃りが激しいため、1つの技術を極めるのではなく、複数の専門領域を持つような工夫は絶対必要と説明した。コミュニケーションや調整ごとが苦にならない場合はプロジェクトマネージャーが向いているし、需要も高い傾向にあるとした。
國司氏は、プロジェクトマネージャーであっても専門性を持つ必要があると指摘し、久松氏もこれに同意し、マネジメント一色になるよりは手を動かして「現役感」を保つことが良いと話した。音井氏も、アイドルがたくさんいる中で生き残るには専門性やユニークさが必要とコメントした。