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Google Cloudが解説! エンジニアはAI/MLソリューションのレイヤー構造を理解しよう!

【10-A-2】ML/AIソリューションのレイヤー構造を理解しよう!~ エンジニアとして知っておきたいアーキテクチャの全体像

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 AIやML(機械学習)が話題になるとき、「AIは簡単に使えるようになり、民主化が進んでいる」という論調もあれば、「AIを使いこなすには(あれこれ必要で)MLOpsが必要だ」という論調もある。お手軽なのか、壮大なシステムを構築しないといけないのか。「どっちなんだ」と思う人もいるのではないだろうか。混乱するのは見ているレイヤーが違うからだ。AI/MLソリューションのレイヤー構造についてグーグル・クラウド・ジャパン合同会社の中井悦司氏と下田倫大氏が解説する。

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AI/MLソリューションはSaaS、PaaS、IaaSをイメージすると分かりやすい

 AIやMLは誰でも使える簡単なものなのか、MLOpsを作らなくてはいけないのか。グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 中井悦司氏はクラウドソリューションのレイヤ(SaaS、PaaS、IaaS)に例えて考えるといいと提案する。

ML/AIソリューションのレイヤー構造
AI/MLソリューションのレイヤー構造

 AIが手軽に使えるという話はクラウドならSaaSに、MLOpsなど複雑な話はIaaSに当てはめると分かりやすい。SaaSに相当するソリューションはMLやAIをバックエンドで使っているものの、目的ごとに完成されたアプリケーションとしてクラウドで提供されている。例えば文書解析のDocument AI、コンタクトセンター向けのContact Center AI、eコマースでのレコメンデーションなどに使うDiscovery AIがある。

 一方、IaaSに相当するソリューションはMLOpsのインフラを構築し、モデルを作り込んでいく。そうしてできあがったビジネスアプリケーションはSaaSのような形でクラウドで提供されてビジネスユーザーが使う。その中間的なものがPaaSで、事前学習済みのモデルや、データを投入すればモデルを作るAutoMLなどがある。

 「かつてAI/MLが流行り始めたころはモデルを作って終わってしまい、PoCから先に進まないという話もありました。冷静に考えると、最終的にビジネスユーザーが利用できるアプリケーションまで作らないと意味がない。そこが課題だったのでは」と中井氏は指摘する。

 そこで全体像を見渡せるように、Google CloudのAIソリューションでSaaSのように完成されたアプリケーション「Document AI」を分解(リバースエンジニアリング)してみることにしよう。これはPDFや画像など、構造化されていない状態のコンテンツを読み込み、テキスト情報を理解し、整理し、構造化された状態のデータに変換する。

 例えば運転免許証の画像。画像なので文字情報にはなってないが、その中には氏名、発行日、有効期限などがある。画像を読み込むことで必要なテキスト情報を抽出して、利用可能な形式にする。

Document AIとは
Document AIとは

 もう少し複雑なプロセスで考えよう。請求書のPDFだと、まずはクラウドのストレージから読み込み、テキスト情報から自然言語処理でエンティティ(重要な要素)を見つけ出し、関係性を理解して処理する。さらに精度を高めるための追加学習、カスタムモデルの作成、専門家による検証や修正の仕組みもDocument AIではサポートしている。

Document AIにおける文書のライフサイクル
Document AIにおける文書のライフサイクル

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AI/MLの機能の集合体としての「Document AI」

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

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