複雑かつ変化の激しい時代に、個人やコミュニティの幸福につながる価値を届けるには
株式会社SHIFTとそのグループ企業は、ソフトウェアの品質保証テストやアジャイル開発の支援、コンサルティング、企画、開発、運用といったサービスの立案から運用まで、トータルな支援を展開している。ナレッジ育成管理を意識し、非俗人化を進めながら、非IT業界の人々がITのプロジェクトで活躍できる場を構築し、ソフトウェア品質を起点としたデジタル変革や新たな価値創造を支援している。
船橋氏はまず、近年のビジネス環境について語った。現在は変化の予測が難しく、VUCA(ブーカ。Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代とも言われている。そして、日本が目指す未来社会のコンセプト「Society 5.0」ではデジタル技術と人の創造力の融合による課題解決・価値創造が求められている。
「価値」に対する考えも変わった。ひと昔前ならサービスが持つ「機能」が注目され、それを使ってもらうことが価値だった。現在では、機能の使用感の良さや良い体験を得られないと価値があるとは言われないようになっている。そして、コミュニティ形成や多くの人で経験を積み上げる価値共創も注目されている。
船橋氏は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公表した資料「なぜ、いまアジャイルが必要か?」にも記されている言葉を引用し「価値とは個人や組織やコミュニティが良いと意味づけているモノ・コトの総体であり、それらは、個人やコミュニティの幸福につながっていくもの」と説明した。
続いて船橋氏は、ウォーターフォール型のソフトウェア開発の特徴を説明した。一般的に、開発からリリースまでの期間が長期化するため、企画や設計の段階の期待感が環境の変化に適応しにくい。このため、リリース時点では実態と乖離している可能性が高い。改修にも時間がかかるため、激しい変化には耐えられないやり方である。継続的に価値を提供し、ビジネスの期待に応えていくためにアジャイル開発の取り組みが進んでいるのだ。