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これだけは押さえておきたい! AWSサービス最新アップデート

AWSの運用がもっと楽になる!「CloudWatch」で注目の新機能と使い方4選

第12回 Metrics Insights、CloudWatch Agent、クロスアカウントオブザーバビリティ、Internet Monitor

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複数のAWSアカウント間でのクロスアカウントオブザーバビリティが利用可能に

 次にクロスアカウントオブザーバビリティをご紹介します。この機能は、複数アカウントのメトリクス、ログ、トレースを一元的に検索、可視化、分析できる機能です。

 またメトリクス等の各種データが出力されるソースアカウントをそれらを集約するモニタリングアカウントと連携することで利用できる機能です。

クロスアカウントオブザーバビリティ
クロスアカウントオブザーバビリティ

 これまでもクロスアカウント設定をすることは可能でしたが、クロスアカウントオブザーバビリティを利用することによって以下が可能になりました。

アカウントをまたがったメトリクスをモニタリングアカウントで可視化可能

 クロスアカウント設定では、メトリクスを見るためにはモニタリングアカウント側で可視化するソースアカウントを選択する必要があるため、異なるアカウントのリソースを同じ画面で見ることはできませんでしたが、クロスアカウントオブザーバビリティでは異なるアカウントのリソースを1つの画面で見ることができます。

モニタリングアカウント側でログの閲覧が可能

 クロスアカウント設定では、モニタリングアカウントからソースアカウントにスイッチロールしてログを見る必要がありましたが、クロスアカウントオブザーバビリティを利用すると複数アカウントのロググループが表示されます。

 これまでの方法では複数アカウントにシステムが分かれていると、運用者は各アカウント毎のメトリクスやログを確認する必要があり、システム全体を俯瞰的に監視することは難しかったですが、本機能を利用することで1つの画面で複数アカウントのリソースを監視できるようになるため、より効率的にシステムの運用ができるようになると思います。

 クロスアカウントオブザーバビリティの料金について、ログやメトリクスについては追加料金が発生しません。

 また、X-Rayを利用してアプリケーションのリクエストに関するトレースデータを収集している場合、そのトレースデータをモニタリングアカウントコピーすることも可能です。最初のトレースデータのコピーは無料ですが、それ以降の追加のコピーはX-Rayの料金に従って請求されます。

インターネット上のパフォーマンスをモニタリングできる「Internet Monitor」がGAに

 最後にInternet Monitorをご紹介します。この機能を利用することで、AWS上にあるアプリケーションとエンドユーザー間のインターネットのパフォーマンスのメトリクスをモニタリングすることが可能になりました。

 これによって、問題個所を可視化して、影響を受ける地域やプロバイダーを特定することができます。

 また、レイテンシーを改善するために、他のAWSサービスへの切り替えや別リージョンを経由してトラフィックを再ルーティングする等の推奨事項を確認することができます。

 Internet Monitorの4つの主な機能をご紹介します。

  • アプリケーションのレイテンシーを改善するための推奨事項が確認できる
  • アプリケーションのパフォーマンスと可用性に影響を与えている原因を迅速に特定できる
  • CloudWatch LogsとCloudWatch Metricsにインターネット速度の計測値を連携する
  • Amazon EventBridgeを利用して通知設定を行うことが可能。AWSネットワークに起因する問題の場合はAWSの対応状況がAWS Health Dashboardに送られる

 Internet MonitorはAWSコンソール上で以下のように確認できます。

Internet Monitor
Internet Monitor

 これまでは、アプリケーションのレイテンシが高くなった場合にインターネットの問題かアプリケーションの問題なのかを切り分けるのに時間がかかりましたが、本機能を利用することでインターネット上に問題があるどうかを素早く確認することができます。

 料金は、モニターに関連付けるリソース1つあたり0.01USD/時間+モニタリング対象の10,000都市ネットワーク[2]当たり0.74 USD/時間(最初の100都市ネットワーク分は無料)が課金されます。

 またトラフィック量上位の都市ネットワークの診断ログを5分ごとにCloudWatch Logsにするため、CloudWatch Logsの料金も追加でかかります。

[2] クライアントがアプリケーションリソースにアクセスする場所 (都市)、およびクライアントがリソースにアクセスするためのインターネットサービスプロバイダーなどのネットワークです。

まとめ

 CloudWatchの主要なアップデートをご紹介しましたがいかがでしょうか。CloudWatchは昔からあるサービスですが、2022年1月~2023年5月の間でも様々な機能のアップデートがありました。

 昔はできなかったことが今はできているということもあるので、最新情報を確認して、CloudWatchを活用していただければと思います。

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この記事の著者

竹山 菜記(株式会社NTTデータ)(タケヤマ ナツキ)

 2019年にNTTデータに入社。 パブリッククラウドを活用したシステム基盤の構築・運用やオンプレミスからパブリッククラウドへのマイグレーション案件に携わる。 注目しているキーワードは"クラウドネイティブ"。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/18046 2023/08/22 11:00

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