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Developers Boost 2023 セッションレポート(AD)

コンフォートゾーンを抜け出そう! 生成AIに仕事を奪われない、しなやかなキャリアの築き方

【Session5】AI時代における、U30ソフトウェアエンジニアの生存戦略

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 ChatGPTが世間を賑わす毎日が続いている。コーディングを支援してくれるGitHub Copilotなど、AIは開発で欠かせないツールとなり、一方で「このままではAIに仕事を奪われるのでは」という懸念もよぎる。AIがますます発展するなか、どのようにキャリアを築いていけばいいのか。FastLabel 姉川純一朗氏が、自身の体験からU30の仲間にヒントをシェアする。

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ソフトウェアエンジニアはAIに仕事を奪われてしまうのか

 AIがコーディングを支援する「GitHub Copilot」は日々の開発に欠かせない存在になってきている。FastLabel 姉川純一朗氏は「弊社でも即座に導入し、開発生産性の向上に大きく貢献しています」と話す。これ以外にもAIを活用した開発支援ツールが次々に登場し、すごく便利ではあるものの、ふとこんな疑問が頭をよぎったりしないだろうか。「このままではAIにソフトウェアエンジニアの仕事が奪われるのではないだろうか」と。

 姉川氏はAIについて「銀の弾丸ではない。究極のサジェストだと感じています」と話す。AIが出力する「サジェスト」を自分が扱う文脈のなかで、正しく理解し、検証し、適切に採り入れていく必要がある。またAIに質問を投げかける時は要件を正確に言語化し、プロンプトに落とし込む必要もある。

AIは銀の弾丸ではなく、究極のサジェスト
AIは銀の弾丸ではなく、究極のサジェスト

 先述の「エンジニアの仕事がすべてAIに奪われるか」というテーマについて、姉川氏は「奪われることはないものの、大部分が代替されるとは感じています。そのためAIとうまく付き合っていくスキルがソフトウェアエンジニアとして生き残るために必要になると考えています」と言う。具体的にはどうすべきか、より詳細に見ていこう。

FastLabel株式会社 Development Dept. Software Engineer 姉川純一朗氏
FastLabel株式会社 Development Dept. Software Engineer 姉川純一朗氏

U30のソフトウェアエンジニアの生存戦略

戦略1:使っている技術を正しく理解するスキルを身につける

 ソフトウェア開発では、まずは技術を学んでから開発していくため、技術を正しく理解していることが前段階にあった。しかしAIがコードを提案してくれるようになると(見た目がそれっぽいので)、そのまま受けいれてしまいがちだ。

 技術的に高度になってくると、ますますAIのサジェストを鵜呑みにしてしまうかもしれない。AIがサジェストしてくれるようになればこそ、今まで以上に技術を熟知しておく必要がある。

 姉川氏は「当たり前ですが、理解できない部分があれば、ChatGPTに再度質問する。初心に戻って公式ドキュメントを参照する。あるいはGoogle検索や、他の開発者に質問するなど、従来と変わらずに進めていく必要があります」と話す。

 続けて「AIのサジェスト内容を正しく理解し、取り入れていいか判断できるところが今後のソフトウェアエンジニアの価値で差が出てくる部分ではないか」と姉川氏。

戦略2:要件を正確に言語化し、設計に落とし込むスキルを磨く

 今後ますますAIが発達することで、狭義の実装ではほとんどの部分をAIに委譲することになるだろう。GPT-4はGoogleにおけるソフトウェアエンジニアの役職のL7相当とも言われている。この優秀なソフトウェアエンジニアとうまく付き合うために「AIに要件を正確かつ適切に伝える言語化能力、設計能力が重要になります」と姉川氏は言う。

AIに用件を正確に適切に伝える言語化能力、設計能力が重要
AIに用件を正確に適切に伝える言語化能力、設計能力が重要

キャリアを切り開くための理想の環境とは?

戦略3:困難な状況を数多く経験する

 30代になると結婚などのライフイベントや体力の衰えに直面することになる。20代よりも自分のためだけに使える時間は限られてくる。(状況によるが)転職のハードルも高くなるだろう。

 姉川氏は「U30のうちに困難な課題に直面し、解決する経験を積むことが、AI時代に左右されないスキルを構築し、今後のキャリア形成に大きく関わってきます。重要になるのがコンフォートゾーンを抜け出していくことです」と述べる。

 実際に姉川氏のこれまでのキャリアも、コンフォートゾーンを抜け出すことで成長を繰り返してきた。最初は数千人規模の会社で、大規模業務用Webアプリケーション開発に携わっていた。入社から数年が過ぎると、仕事の要領がつかめてきてコンフォートゾーンに入った。そこで落ち着くのではなく、エンジニアとしてのスキルアップのために「もっとたくさん新規機能開発をしたい」と思うようになり、転職した。

 転職先は教育系のSaaS開発で、当時は社員数100人程度のスタートアップ企業だった。社員が増えていくフェーズを経験し、スクラム開発で新機能開発のリードをするほどにもなった。再びコンフォートゾーンに入ると、「スキルの幅を広げたい(インフラ、アーキテクト、マネジメントなど)。30歳を前に、より困難な状況に身を置いて成長したい」と考え、現在のAI系スタートアップFastLabelへと転職した。

 こうして姉川氏は転職を通じて新しいスキルを獲得し、エンジニアとしてステップアップしてきた。姉川氏は「困難な状況を数多く経験するということは、自分が描くキャリアに足りないものを身につけるとか、現在のコンフォートゾーンを抜け出すということだと考えています」と説明する。

 とはいえ「こんなにうまくいくだろうか」と思うかもしれない。その点、姉川氏は「スタートアップがおすすめです」と強調する。確かにスタートアップであれば、否が応でも数多くの経験が積める。まだ社員が少ないため1人に割り当てられる役割は多く、ビジネスもシステムも発展途上なので試行錯誤を経験することになる。

スタートアップに身を置くと数多くの経験が得られる
スタートアップに身を置くと数多くの経験が得られる

 実際スタートアップではエンジニアはどんな経験が積めるか、FastLabelを例に見てみよう。同社はまだ社員が30人程度で、開発要員も10人程度。ソフトウェアエンジニアであれば、フロントエンド、バックエンド、インフラに分かれているものの、多くが兼任なので関わる範囲が広い。言い換えればフルスタックエンジニアのようになる。

 またリソースに制約があるなか、優先順位をつけ、タスクのスコープを調整するなど、難易度の高い意思決定が日々繰り返される。ビジネスの成長、組織、技術など課題は山積しているので、チャレンジの機会は豊富にある。仕事で関わる相手も幅広い。社内のAIエンジニアから社外の顧客まで、様々なステークホルダーとビジネスコミュニケーションする機会がある。こうしてスタートアップであれば、スキルを多種多様な方面に伸ばして行くことができて、抱える課題も多いため課題解決スキルも自然に伸びていく。

 姉川氏は次のように話す。「エンジニアの仕事が今後AIで効率化されることにより、エンジニアが担当する仕事の幅が広がっていくと予想されています。エンジニアにもビジネス成果がシビアに求められていくでしょう。実際、FastLabelではお客様の成長にピンを止めたカルチャーがあり、ビジネス成果を達成できるエンジニアになれるよう日々頑張っています」

戦略4:海外に目を向ける

 最後に少し毛色が変わる話題となるが、海外に目を向けるということ。円安や少子高齢化が進み日本の競争力が弱まるなか、日本でしか働くことができないエンジニアの価値は今後ますます低迷すると考えられる。

 AI技術はじめ、テクノロジーをリードしているのはアメリカだ。そのため英語力を鍛え、最先端AI技術やテクノロジーをキャッチアップしていくことが重要になる。姉川氏は「将来食いっぱぐれないように、グローバルで働けるエンジニアになることが将来のキャリアに対するリスクヘッジにもつながります」と話す。

 「とはいえ、自分は日本が大好きなので、日本をもっと盛り上げていきたいなと思っています。みなさん一緒に頑張りましょう」と目の前の聴衆に呼びかけて講演を締めくくった。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/18054 2023/07/28 12:00

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