英Stability AIは、AIチャット・サービス「Stable Chat」をプレビューとして8月11日(現地時間)に公開した。無料で利用できるが、利用するには同社のWebページでユーザー登録をして招待を待つ必要がある。そして同社は、現時点ではStable Chatを実際のプログラムや商用サービスに利用しないように呼びかけている。
Stable Chatは、Stabliity AIが7月21日に公開した大規模言語モデル「Stable Beluga」を基にしたAIチャット・サービス。Stable Belugaには、パラメーター数65億の「LLaMA 65B」を改良した「Stabel Beluga 1」と、パラメーター数70億の「LLaMA 2 70B」を改良した「Stable Beluga 2」が存在する。このうちStable Beluga 2は、公開当初に米Hugging Faceが公開大規模言語モデルの性能を評価した「Open LLM Leaderboard」で首位に立つほどの高性能な大規模言語モデルとなっている。Stable Beluga 1は、Creative CommonsのCC BY-NC-4.0ライセンスで公開しており、Stable Beluga 2は、Stabliity AI独自のライセンスで公開している。
Stability AIは、Stable Belugaを公開する際、研究者や開発者がこのモデルを実際に動かしてみて、安全性や性能について検証してほしいとしていたが、大規模言語モデルを実際に動かすには高性能GPUを搭載した大規模なサーバー群が必要であり、多くのユーザーにとってそのようなサーバー群を用意することは難しい。Stability AIは、多くの開発者や研究者がStable Belugaを検証できるようにすることを狙って、Stable Chatを公開するとしている。
さらにStabliity AIは、Stable Belugaを8月10日〜13日にネバダ州ラスヴェガスで開催されたセキュリティ専門の開発者会議「DEFCON 31」の「AI Village」に出展した。AI Villageでは、各種公開大規模言語モデルが出展され、参加者がそれぞれのモデルの脆弱性や偏向(バイアス)、安全性を検証できる。Stability AIは、AI開発の際に透明性を重視しているとし、Stability BelugaをAI Villageに出展して外部研究者による検証を受けることで、より安全なAI開発に貢献できるとしている。
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