柔軟性の高いスクラッチ開発を、納期や品質面で大きく底上げ
ノーコード/ローコードに注目が集まる中で、「スクラッチ開発がなくなってしまうのではないか」という懸念の声もある。しかし村上氏は、まったく気にする必要はないと言い切る。実際、ガートナーが調査したソフトウェア・エンジニアリングプラットフォームの利用状況(2023年6月)によると、開発におけるノーコード/ローコードの活用度は43%にとどまり、半数以上がスクラッチ開発メインと回答している。
村上氏は、「すべてがノーコード/ローコードに置き換えられるというよりも、スクラッチでなければできない領域がまだまだ多いということ。柔軟性が高く、どのような案件にも対応できることが強みです。ノーコード/ローコードでは対応が懸念される部分をフォローし、可能性を広げることが可能です」と評した。ただし、「時間的成約のない場合」というカッコつきであることも付け加えた。
つまり、ノーコード/ローコードではまだ難しい、しかしスクラッチでは時間がないときにこそ「コンポーネント」を活用することが有効と言える。中でも多彩なコンポーネントを有する製品を活用することで、開発効率が大きく上昇する。
その有効例として、村上氏は「Excelを活用している場合」を挙げる。既存の業務でExcelを使っている場合、システムが変わってもユーザー側のインターフェースはExcelのままにしたいという要望が多い。開発側についてはなかなか難しい悩みだ。しかし、グレープシティのコンポーネントである「SPREAD」を使えば、裏側ではさまざまなシステムのロジックを走らせつつ、"Excelライク"な画面・機能を簡単に構築できる。
他にもグレープシティでは、ディープな要件を求められるUI開発で、帳票なら「ActiveReports」、入力画面なら「InputMan」というコンポーネントで対応が可能だ。
村上氏は「スクラッチ開発にコンポーネントを活用することで、短期間での高機能性を実現させるだけでなく、テストが不要なので安定的に機能品質を提供でき、さらに問題発生時にはサポートを活用して迅速に解決できます。まさに全体的な開発力の底上げが可能なのです」と強調した。