パブリック・クラウドの課金体系
パブリック・クラウドはハードウェアを調達する手間を劇的に下げました。ですが、データベース・エンジンが使用できるハードウェア・リソースを動的に増減させることができるという技術的な話と、クラウドの課金体系が何に比例するかというのもまた別の話です。
データベース・エンジンが使用できるリソース量を技術的に制限し、その上限枠に対して課金する場合もあれば、リソース量の上限枠を技術的に動的に増減させるのではなく、使用したことになっているリソース量を観測しそれに基づいて課金される体系になっているものもあります。

また、使用したリソース量を観測するのではなく、リソース量の上限枠をかなり大きめに確保しておき、リクエスト回数に比例する課金体系もあります。
いずれの課金体系においても、それをホストする物理ハードウェア全体の費用ではなく、使用した分を支払うということになりますが、技術的なリソース制御の実装は異なります。
ここからは技術的な観点のリソース上限枠を制御する方法についてみていきます。
スケール・アップとスケール・アウト
ソフトウェアにハードウェア・リソースを追加する概念を大別すると、1つのOS上で動作するデータベース・エンジンのインスタンスが使用できるリソースを増減させる場合と、データベース・エンジンの複数のインスタンスを複数のOS上で動作させるクラスタ構成の場合があります。
前者の1つのOS上で動作するデータベース・エンジンのインスタンスが使用できるリソースを増やすことをスケール・アップと言い、後者のインスタンスを増やすことをスケール・アウトと呼びます。どちらの方法にも、どの階層でリソースを制御するかによって複数の方式があります。

パブリック・クラウドの特徴の一つとして、ハードウェア・リソースを抽象化して使用量に応じて課金されるというものがあります。これにはハードウェア・リソースを増やすだけでなく減らすという概念を暗黙的に含んでいます。技術的にリソース制御をおこなう場合、データベース・エンジンがハードウェア・リソースを動的に増やすまたは減らすことに対応できていなければ、データベース・エンジンのインスタンスをいったん停止させてリソース量の設定を変更して再起動をかける必要があります。
