適用されるサポートポリシーを見極めて最適なテクノロジーを選択
以上、紹介してきた.NET 9は、標準期間サポート(STS)として18カ月のサポートサイクルでリリースされている。これに対し2023年11月リリースされた.NET 8は、長期サポート(LTS)により3年間のサイクルの中でリリースがされている。つまり.NETの利用にあたっては、LTSの.NET 8を使うか、STSの.NET 9を使うかどうかが1つの比較すべきポイントとなる。
これについて井上氏は「2025年11月には、.NET 10がLTSでリリースされる予定です。そのことを踏まえて、.NET 9を使い始めるのか、または安定版であるLTSの.NET 8を使っていくのかを必要に応じて判断いただければと思います」と語る。
一方、そうしたなか、.NET Frameworkのサポートポリシーはどうなるのか。周知の通り、.NET Frameworkについては4.8が最後のメジャーバージョンとなり、現時点での最新バージョンは4.8.1である。.NET Framework(4.6.2以降)に関しては、インストール先のWindows OSと同じライフサイクルポリシーが適用になる。つまりWindows OSのコンポーネントとして更新プログラムがリリースされ、サポートもOSのライフサイクルポリシーに準じて適用されるかたちとなる。
「このように、.NET Frameworkベースのアプリケーションは継続利用が可能ですが、現在、.NET Frameworkをお使いのケースでは、ぜひ最新バージョン4.8.1にアップデートいただいて、OSのライフサイクルポリシーの中でサポートを受けていただくことを推奨します」と井上氏は強調する。
なお、.NET Frameworkから.NETへのアプリケーションのアップグレードについては、.NET Upgrade Assistantというツールが提供されており、その活用によって移行の工数を大幅に削減することが可能である。
「アプリケーションの開発だけでなく、セキュリティやパフォーマンスなど運用面からも、.NETの活用がさまざまなメリットをもたらします。そうした動きは、今後.NET 10においてさらに加速していくことになります。ぜひ今後とも.NETの動向にご期待ください」と井上氏は語り、セッションを閉じた。
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